資本業務提携とは!メリット・デメリットを紹介!

昨今では、ベンチャー企業と大企業を中心に、資本業務提携が数多く成されています。大手、中堅各社では、自社の中から新しい事業やアイディアを出すことが難しいため、外部と積極的に連携して新たな取り組みを増やしていこうとする動きです。 その取り組み手法として、業務提携、資本業務提携、買収とありますが、今回は資本業務提携を中心に、他との比較を交えながら解説していきます。


この記事は約8分で読み終わります。

資本業務提携とは

資本業務提携は、資金を投じるとともに、業務の提携を行うことです。ではその意味合いや目的、メリット、デメリットはどういったものがあるのかを詳しく説明していきます。

資本業務提携は、資本提携と業務提携を同時に行うものです。業務提携は、複数社が協同で業務を行うことにより、相互に効率化できたり、新しい付加価値が出きたりする取り組みのことをいいます。

また、資本提携は、一方が資金を得て自社の株式を放出する代わりに、他方がその株式を引き受けること、あるいは双方の株式をそれぞれ取得することをいいます。

資本業務提携により、双方の良い部分で相乗効果を出したり、一方で足らない部分を他方で補完したりすることで、双方の企業価値を高めていくことを目指します。

目次へ

飲食業界における資本業務提携の事例

まずはイメージを持っていただくために、具体的にどういう資本業務提携が行われてきたか、というところで、いくつか飲食業界における資本業務提携の事例をご紹介します。

①ダイヤモンドダイニングと一家ダイニング

都内や関西圏を中心に多業態の飲食店を経営している「ダイヤモンドダイニング」が、東京、千葉、埼玉などで飲食店や婚礼施設を経営している「一家ダイニングプロジェクト」に対し、第三者割当増資引き受けによる出資を行いました。出資後の議決権割合は9.38%です

店舗運営や都心部での出店ノウハウに強みを持つダイヤモンドダイニングとサービス力やウエディング事業に強みを持つ一家ダイニングとが、相互の得意領域を持ち寄り、店舗企画やエリア情報の共有による付加価値の向上を目指し合意に至りました。

②フジオフードシステムと梅の花

関西を中心に大衆食堂などを展開している飲食チェーンの「フジオフードシステム」が、和食を中心とした店舗を展開する「梅の花」と資本業務提携を実施すると発表しました。

梅の花はフジオフードの普通株式350,000株(発行済株式総数の3.56%)を、フジオフードサービスは、梅の花の普通株式370,000株(発行済株式総数の4.94%)を取得します。

この資本業務提携では、梅の花のセントラルキッチンでフジオフードの総菜を製造するなど双方の工場稼働率の向上を目指しています。また梅の花の総菜をフジオフード向けにアレンジして販売するなど商品開発や営業面での協力関係構築などを図り将来的にはアジアを中心とした海外での展開も視野に入れています。

③GYROHOLDINGの経営統合

国内および海外でカフェ・ダイニングなど様々な業態の店舗企画・運営をしている「カフェ・カンパニー」と、居酒屋業態を中心にM&Aで急成長している「subLime」は、両者の持ち株会社として「GYRO HOLDINGS株式会社」を設立し、経営統合を行いました。sublimeは株式交換でカフェカンパニーの株式を取得し、GYROに社名を変更しました。

統合したことにより、両者の事業領域の重なりが少なく、ブランド力に強みを持つカフェカンパニーと、人材採用・経営力に強みを持つsubLimeが手を組み、シナジー効果の発揮を目指しています。

目次へ

資本業務提携のメリット

資本業務提携のメリットとしては、大きく2つあります。事業拡大スピードが早いことと、協力関係を築ける、ということです。

単なる業務提携と異なるのは、協同で取り組む業務に対するコミットメントが強いことです。なぜなら、資本提携は一方の資金を投下して株式を取得するので、資金を投じた方は投下資本を回収しないといけません。投下資本回収は資金を受け入れた企業の業績向上による企業価値の向上です。
そのため、資本業務提携は、企業価値を上げる取り組みに対して、単なる業務提携と比べて積極的になることが特徴です。

協力関係を築ける

資本業務提携は、業務提携より関係性が強いです。業務提携は部長レベルで決められることはあっても資本提携は取締役会などで決まる事項です。そのため、トップミッションあるいはそこに近い形で現場に降りてくるので、経営層、中間層、現場層、それぞれで協力関係を築きやすいです。

業務提携の場合も築けないことはないですが、比較的契約が緩やかな場合が多く、責任の所在が不明確な場合も多いです。
そのため、資本業務提携がより強い協力関係を築けます。

事業拡大スピードが早い

上述のとおり、より強い協力関係が築けるため、事業拡大スピードが早くなります。提携の多くは人の問題でスピードが落ちます。経営層がコミットしていない、中間層にインセンティブがない、現場で優先度が上がらない。これらの原因によって、新しい取り組みは多くの場合、頓挫します。

しかし、協力関係がより強い場合ですと、トップダウンで業務の優先度が高くなるため、資本業務提携による取り組みは、業務提携の場合に比べて実行スピードが増します。実行スピードが増すと、連携により、理想とした形に早く辿り着きやすいため、事業拡大のスピードが早くなります。

目次へ

資本業務提携のデメリット

資本業務提携のメリットで記述したように、資本業務提携は株式を移動があるために、メリットも大きいのですが、これによるデメリットとしては、経営の自由度が下がる、買収要求の可能性というものがあります。

経営の自由度が下がる

単なる業務提携であれば、お互いに独立性を保ったまま協力関係が得られますが、株式を譲渡する、ということは相手に経営権の一部を譲渡するということです。譲渡した株式の割合によって大きく経営の自由度が下がることがあります。

具体的には、会社法で定められた権利として、議決権保有割合に応じて以下の権利が行使可能となります。

①議決権保有割合:3%以上 「少数株主権」・・・役員の解任請求など
②議決権保有割合:1/3超  「特別決議」の否決・・・定款変更や合併の否決など
③議決権保有割合:1/2超  「普通決議」・・・役員の選任解任及び報酬の決定、利益処分案の決定など
④議決権保有割合:2/3超  「特別決議」・・・定款変更や合併の承認など

議決権のある株式をどの程度渡していいのかは、慎重に検討する必要があります。

また、資本業務提携をすると、相手方の同業他社の企業とのビジネスがやりづらくなる場合があります。取引関係の程度であれば、いざ知らず、資本関係にまであると、同業他社としても自社との取引が漏洩されるリスクなどを恐れて取引したがらないケースもあります。

そのため、資本業務提携するこの1社のために、複数他社との取引を不利にするのか、という判断をする必要がでてきます。

株式の買収を要求されることも

資本業務提携を組む目的の一つに、企業買収があります。買収するにはまだリスクがあるので、まずは一部株式を持つ資本業務提携を行って、様子を見てから買収を試みるというケースです。

ベンチャー企業相手によく行われています。まずは自社が手を出しづらい新規事業領域に、同領域で活動するベンチャーと資本業務提携を行い、情報収集をし、業績や市場感に応じて、買収に乗り出す、という流れです。

そのため、投資を受ける際は、そういったリスクを鑑みて、株式を放出する割合を慎重に判断しなければなりません。

目次へ

資本業務提携と買収の違い

この両者の違いは、経営権にあります。買収の中でも、相手方の全株式を取得する場合と、一部を残す場合があります。

全株式を取得すると、相手方の経営権を完全に掌握することになりますが、一部を残した場合、その割合に応じた権利が残ります。そのため、買収は相手方の株式を過半数以上取得した状態なので、概ねの経営権は掌握することになります。

資本業務提携では、多くの場合、投資する側としては、投資を受ける会社の経営権は掌握できないので、思いのままにはできませんが、買収となれば、投資した側の思い通りに物事を進められるのが、買収の最大のメリットです。

逆に買収のデメリットとしては、資本業務提携時よりも大きな投資が必要になり、その分、リスクが大きくなります。

目次へ

M&A Properties なら低リスクで資本業務提携が可能

M&A Propertiesなら、飲食業界において豊富なM&A実績があり、資本業務提携でも買収でも包括的にサポートをすることができます。また、初期検討、スキーム検討、交渉、デューデリジェンス(買収監査)、最終契約交渉など、M&Aに関する確かな知識を備えた専門コンサルタントが対応を行っています。

目次へ

まとめ

以上のように、資本業務提携に対してのメリット、デメリットを中心に解説してきました。特に日本では労働人口の減少、急速なグローバル化の流れによって、1社単体ですべてをまかなうことは難しいと考えられ始めています。

そのため、自前主義の経営から、共創という形で他社と手を組んで新たな事業展開に踏み出そうとする会社が増えています。
資本業務提携も含め、それぞれのメリット、デメリットを鑑みて、読者の皆様の事業に生かしていただければ幸いです。