写真撮影や録画に対する飲食店の対応は?ケース別にご紹介します

写真撮影や録画に対する飲食店の対応は?ケース別にご紹介します

画像でも動画でも、まず一番に注意すべきことは”店の秘密を守ること”と”お客様のプライバシーを守ること”です。特に動画撮影の場合は、細心の注意が必要です。 撮影のルールを現場のアルバイトスタッフにまでしっかりと周知し、間違えが起こらないようにしましょう。


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写真の場合

中には店内では一切撮影禁止にする飲食店もあります。このような、わかりやすい明確なルールを定めることは、マイナスではありません。ですが、TwitterやInstagramに料理の写真をアップすることを楽しみにしている方も多くいらっしゃいます。

すべて禁止は、あまりにも厳しすぎるけれど、だがらといって好き放題に写真を撮影されるのも困り物です。

写真撮影の場合は、全面禁止にするより撮影するものや場所を限定して許可するのが無難な対応といえます。

①出来上がった料理

出来上がった料理を自分の席に座ったまま、写真撮影をするのであればお断りする必要はありません。
明らかに本格的な大きなカメラを取り出してフラッシュを焚いたり席から立ったりして撮影しているような場合は、他のお客様の迷惑になりますので控えていただけるようにそっと声をかけましょう。

②厨房や調理風景

厨房や調理風景の一部を演出として客席や通路から見えるようにしている飲食店もあるかと思います。

本当に企業秘密の部分をここで見せる方はいらっしゃらないとは思いますが、だとしても調理風景を撮影されてSNSで拡散されることにはリスクがあります。
というのも、SNSは大げさにいえば世界中の人が見ることができるものです、中には同業者も当然います。プロがみると、一般の人には解らない、食材のレベルや調理器具の質、そして見せる演出の工夫などが解ってしまう事もあります。いろいろな情報がその画像に詰まっているのです。

もちろん、それを理解した上で公開するのであれば構いません。ですが「店の宣伝になるかもしれない」という安易な考えで、厨房や調理風景の撮影を許可するのはリスクがあります。

③店内の様子

おしゃれな内装や家具、美しい景色などを売りにする飲食店の場合、料理ではなく店内を撮影したがる方が出てくる可能性があります。

風景であれば、お断りする事はないでしょう。存分に撮影してもらうことで、お店のコマーシャルにつながることもあります。ですが、店内の様子を撮影したい!という場合には注意が必要です。
店内には、他のお客様がいらっしゃいます。SNSでリアルタイムに画像をネット上にアップする可能性が高いわけですから、他のお客様が写り込むのはプライバシーの問題があります。
だがらといって、撮影した写真を一枚一枚確認するのは非現実的です。店内の様子の撮影は、基本的にはお断りするようにしましょう。もしくは、他にお客様がいないときだけOKというルールを明確にしましょう。

④店の外観や庭

店の外観や庭、看板などの撮影はお断りする必要のないものです。
店内撮影禁止ならともかく、店外の撮影まで制限してしまっては印象がかなり悪くなります。

店の外観は、店の顔ですから撮影してSNS などにアップしてくれるのは有り難いことですので、どんどん撮影していただきましょう。

動画の場合

動画と画像とでは、情報量も周囲への影響も大きな差があります。テレビ取材などの場合は別ですが、素人の動画撮影に関しては注意が必要です。写真は許可するけれど、店内の動画撮影は禁止にしてしまうという方法もあります。

①出来上がった料理

これは、座席の位置やスタイルによって対応が変わります。
完全個室の客席や、目線より高い仕切りがある場合は出来上がった料理や自分たちを撮影するのは、問題ありません。ですが、他のお客様が写り込む可能性がある場合はお断りせざるをえません。

店側としてどうかだけでなく、お客様の立場になって許可するか否かを考えましょう。

②厨房や調理風景

これは、お断りしてよい場所です。画像と同じように、演出として見せている場合はリスクがあることを理解した上で許可しましょう。

③店内の様子

店内の様子の撮影は店側として問題がなくても基本的にはお断りしましょう。というのも、店内の様子を撮影すれば他のお客様やスタッフが写り込んだ動画になるからです。

そして、動画は音声もはいることにも留意する必要があります。

客席での撮影の項目でもふれましたが、第三者の写り込みは一番注意すべきところです。料理や客席での撮影よりも店内の様子を撮影するほうがずっとリスクが高くなります。
プライバシーの問題は起こってからでは取り返しがつきません。十分注意が必要です。

④店の外観など

店の外観などであれば、禁止する必要はありません。第三者の写り込みや、撮影でハシャいで他のお客様に迷惑をかけるような行為がない限りは、断るよりはそっと見守る対応が一番無難です。

動画撮影は、画像よりもリスクが高くなります。お断りする場面が多くなりますが、問題は未然に防ぐのが経営のセオリーでもあります。心苦しくても、断るべきところではきっぱりとお断りしましょう。

まとめ

画像でも動画でも、まず一番に注意すべきことは”店の秘密を守ること”と”お客様のプライバシーを守ること”です。特に動画撮影の場合は、細心の注意が必要です。

撮影のルールを現場のアルバイトスタッフにまでしっかりと周知し、間違えが起こらないようにしましょう。