飲食店の開業に向けてお店の骨組みとなるコンセプトを考えよう

飲食店の開業に向けてお店の骨組みとなるコンセプトを考えよう

コンセプトとは開業するお店の基本的な骨組みのことです。コンセプトが明確でないと曖昧なイメージでしか捉えることができません。お店の形をはっきりさせるために細かい部分のコンセプトを一つ一つ考えることが必要です。


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コンセプトとは開業するお店の基本的な骨組みのことです。コンセプトが明確でないと曖昧なイメージでしか捉えることができません。お店の形をはっきりさせるために細かい部分のコンセプトを一つ一つ考えることが必要です。

まずは漠然としているイメージを少しずつ形にしていきます。頭の中で考えているだけのような「ぼんやりしたもの」ではなく、実際に文章にするなど明確な形にしていくべきです。そこを突破口に全体の形を明らかにしていき、さらに改良を加えていく方向を採ると良いでしょう。

コンセプトを決める順番

飲食店のコンセプトは複数の項目がありますが、メインとなる項目は概ね以下3項目になると思います。

・何を売るか?
・ターゲットはどんな人たちか?
・どのエリアのどの物件か?

既に売りたいものがほぼ決まっているのであれば商品をベースにターゲットやエリアを探していくことになりますし、ターゲットをメインに考えたいのであれば、そこをベースに商品やエリアを決めていくことになります。

コンセプトを決めていく流れは、それぞれの経営者によって異なってきます。メイン項目を中心にして他の項目を考え、柔軟に調整をかけながら全体のコンセプトを最終決定していく方法が現実的です。

同業店や競合店に勝てる「オリジナルのセールスポイントをいかに盛り込むか」など難しいことは後まわしにして、まずは全体像をはっきりさせるべく、以下の各コンセプトを意識してみましょう。どれも飲食店経営の成功には欠かせない項目ばかりです。

・何を売るのか、主力商品はどんなものか?
・いくらで販売するか、全体的な価格帯は?
・どのエリアのどの物件で開業するか?
・メインターゲットはどんな人たちか?
・どのようなスタイルで販売するか?
・雰囲気や接客レベルはどの程度でどんなスタイルか?
・営業時間はいつどのくらいの長さか?

それでは、各コンセプトについて少し掘り下げながら見ていきたいと思います。

何を売るのか、主力商品はどんなものか?

開業予定の飲食店でどのような商品を提供するのかは最も大事な要素の一つです。中でも「主力となる商品はどんな料理なのか」は最重要項目と言えます。

どのような味にするか、利用する食材のレベルはどうするか、提供する分量はどの程度にするのか。その他、食感や彩などお客様の手に渡る時、どのようなインパクトや印象を伴うのかを企画します。同時に、ターゲットやエリアなど他の要因を考慮に入れつつ柔軟に修正することも重要です。

メインターゲットはどんな人たちか?

誰に売るつもりなのかを明確にします。年齢層、性別、所得などを中心に、家族構成や趣味、その他の行動パターンなど必要に応じて細かい部分まで掘り下げて決定していきます。

いくらで販売するか、全体的な価格帯は?

売りたい商品をいくらで提供すれば強く支持されるかを考えます。低価格路線を採り入れるか、他店と同じような水準にするか、又は、やや高めにして別の付加価値を加えるか。ある程度の価格を設定し、開業までに他の要因とすりあわせつつ柔軟に最終決定します。

どのエリアのどの物件か?

駅に隣接した人通りの多い場所なのか、同じ駅周辺でも1階部分なのか、地階や2階なのか、それとも車でアクセスしてもらう郊外なのか、ショッピングセンターやデパートなど既に人が密集している施設なのかなどを決定します。

エリアや物件は飲食店経営の成否のカギを握る要素と言っても過言ではありません。販売する商品やターゲット層とのバランスも取りながら慎重に進めていきましょう。

どのような販売戦略をとるか?

開業時の告知戦略、固定客になってもらうための導線やアピールポイント、固定客に継続的に来店してもらうための仕組みなど、如何にお客さんを集めるのかについてアイデアを企画します。

お店の雰囲気、接客レベルはどの程度でどんなスタイルか?

高級店ならそれに見合う雰囲気や接客、ファーストフードならファーストフード店の運営が機能しやすいスタイルなど、それぞれにふさわしい雰囲気や接客レベルが求められますが、意外性を採り入れて他店との差別化を図りオリジナルなアピール材料とすることも可能です。

営業時間はいつどのくらいの長さか?

ランチとディナーの営業、朝食からランチまで、又はディナーのみなど営業時間を設定します。お店によっては深夜も含めたり、24時間スタイルにするなどいくつかの選択肢があります。

コンセプトを決める際のヒント

世の中がどのような方向に向かっていて、人々がどのような傾向の中で日々暮らしているか、その中で人々のライフスタイルが「飲食店」とどのような関わりになってきているかなど、自分自身を含めた消費者がどういった状況に置かれてきているのかを意識することは非常に重要です。

例えば、仮に「たこ焼き屋」を開業する内容でコンセプトが固まったとしたら、なぜ「たこ焼き屋」の開業を決めたのかを、論理的に説明できなくてはなりません。単純に自分自身がたこ焼きが好きで得意だからとか、何となく・・・という理由では機能するコンセプトとは言えません。

商圏となるエリアにおいて、アピールすれば支持される見込みがあることを前提に考え抜かれたものである必要があります。

とにかくコンセプト設計を始めてみる

漠然と考えていてもなかなか前に進められません。頭の中でイメージできたことは実際に紙やPCで言葉にして記録していくことが大切です。写真を撮るなどしてイメージとして記録するのも効果的です。

改良すべき個所は何度も加筆修正を繰り返し、より現実的で成功をイメージできるレベルにまで引き上げていきます。既に繁盛している他店を、自分なりの分析でコンセプトシートに落とし込んで研究してみるのもとても効果のあるやり方ですのでぜひ実践してみると良いでしょう。