飲食店で使う調理器具の基礎知識(フライパン編)

飲食店で使う調理器具の基礎知識(フライパン編)

加熱調理に欠かせない調理器具の代表格、フライパン。どれくらいのコストがかかるのかが気になるのはもちろんですが、使用感も大事なポイントです。そもそもフライパンにはどれくらいの種類があるのか、ご存知でしょうか?


この記事は約4分で読み終わります。

加熱調理に欠かせない調理器具の代表格、フライパン。どれくらいのコストがかかるのかが気になるのはもちろんですが、使用感も大事なポイントです。そもそもフライパンにはどれくらいの種類があるのか、ご存知でしょうか?フライパンの種類、そして素材の違いでどういった特徴があるのかを一通り学び、導入するフライパンを検討してみてはいかがでしょうか?早速チェックしていきましょう!

プロ用、調理経験者にオススメのフライパン

多少の重さはあるものの、調理師免許を持っている方や調理に従事したことのある経験者であれば一番使いやすいのが「鉄のフライパン」です。手にずっしりとした重みがありますが、フライパンを持たず少し揺らす程度で“焼く”調理作業では重みはネックにはなりません。炒める際には多少フライパンを持って返す必要がありますが、それでも抜群の耐久力は価値があります。鉄のフライパンで一番重要なのが、油を塗る習慣をつけておくこと。使用する前に油を表面にしっかりとなじませておかないと焦げてしまいやすいので気を付けるようにしましょう。さらに、使用後洗ったあとに使用前と同じように油でコーティングしておく必要があります。これさえしっかりしておけば、焦げ付き等のよごれが付着しにくく、熱によって歪んでしまうことも少ない鉄のフライパンは最強といえるでしょう。価格も並み程度ですので、抵抗なく導入できることでしょう。

調理未経験者でも使える、手軽なフライパン

調理経験のない人にとって、火を使う作業はとても気を遣うものになります。少しでもその負荷を減らしてあげたいところですよね。そこで、使うことと維持管理することどちらも簡単なのが、「テフロン加工済のフライパン」。焦げ付きにくさでいえばピカイチ!料理の経験の有無問わず、どんな料理にも使用できるのでなにを導入したら良いかわからないという方には、テフロン加工済のフライパンをオススメします。しかし、ウィークポイントとなってしまうのが“コストパフォーマンスの悪さ”です。テフロン(フッ素)加工というのは、使用に応じて必ずはがれてしまうので、段々と焦げ付やすくなってしまうのです。加工がはがれたら買い替え時…と念頭に置いて、導入すると良いでしょう。

特定の料理に強さを発揮するフライパン

・パスタ 洋食店を開業しようと考えている方にお勧めしたいのが、「アルミのフライパン」です。パスタを調理するのに一般的に使用されているフライパンがアルミ製のものなのです。その理由は、フライパンの降りやすさ。パスタとソースを絡める際にフライパンを振るのですが、その作業がとても楽で理に適ったフライパンなのです。また、アルミという素材の特徴になりますが、熱が大変伝わりやすい素材です。火にかけたら間もなく調理できるような状態になるので、厨房内の作業効率と回転率を上げるためにもアルミのフライパンは導入しておきたいところですね。また、フランベといったようにアルコールを瞬時に飛ばす必要のある際にも使用しやすく、コスト的にも並み程度のフライパンです。

・肉料理 あまり聞いたことのない「鋳物フライパン」ですが、プロ用としては名の知れた部類。肉を美味しく焼くのに適したフライパンといえます。チャーハンのようにフライパンを振るような動作には、かなりの重さがあるために向かないのですが、肉料理にじっくり火を加える際には最高の働きをしてくれます。近年は、かなり軽く加工された鋳物フライパンが販売されてきていますので、肉料理が多い飲食店の開業を考えているのであれば導入を検討してみても良いでしょう。

フライパンはサイズで用途が変わる!

大きさについて深く考えたことがないという方もいるかもしれませんね。実は、フライパンは鍋以上にサイズで用途がガラりと変わります。調理したい料理によって、使用するフライパンのサイズを変える必要がありますので、「フライパンは数個準備したら大丈夫だろう」という考えは少々リスキーなのです。オムレツを作るためには、比較的サイズが小さ目のフライパンのほうが初心者でも綺麗な仕上がりにしやすいです。フランベする際やソースを作る作業にも小さなフライパンの方が向いています。逆に、肉や魚をじっくりと焼いたり、野菜をしっかり炒めたりするときは大きめのフライパンがオススメです。大きければ良いということではないと理解したうえで、導入するフライパンのサイズも併せて検討していきましょう。

いかがでしたか?奥が深い料理の世界、フライパンひとつとってみても大変な種類がありますよね。自分がどういった飲食店の開業を目指しているのかというのを軸に、どういった料理を提供するのかを固定したあとに導入すべきフライパンを検討してみましょう。フライパンの素材や大きさで、調理に従事する人の作業効率に大きく関わるということを忘れずに選んでいきましょうね。