注文や会計時のポイント
・口を大きくあけてゆっくりと話すようにしましょう
聴覚障害者の方の中には、唇の動きで会話を読みとる読唇術を身につけていらっしゃる方や、補聴器をつけることで大きな声であれば聞き取れる方もいらっしゃいます。
ゆっくりと解りやすく、大きめの声で話すように心がけましょう。
・筆談を利用する
手話が出来るスタッフがいない場合は、筆談が1番確実に間違いないコミュニケーションの方法になります。
聴覚障害者の方がご来店された時は、まず手話が出来るスタッフがいない事と筆者での対応をさせていただくことにご了承いただきましょう。
注文ミスや会計ミスを避けるためにも、筆談を最大限に活用してコミュニケーションをとるようにしたいところです。
・接客の基本!笑顔は忘れずに
あるベテランのホールスタッフが、聴覚障害者のお客様から注文を受ける際に、間違いがないように失礼がないようにと緊張しすぎて、真剣な顔になっていたことがありました。
聴覚障害者のお客様への接客に慣れていないと、ついつい真剣な表情になってしまうこともあります。
ですが、笑顔は接客の基本です。特に緊張してしまう場面であったとしても、笑顔は忘れないようにしましょう。
こんなものがあるととても便利
・持ち運びできる小さなホワイトボード
持ち運びが出来る小さなホワイトかブラックボードがあると、とても便利です。
メモ帳やノートとは別に、ホワイトボードがある方が便利なのには理由があります。
それは、ホワイトボードの方が大きな字を書くことが出来るという利点があるからです。そして、マジックを使いますから、文字が見やすいのです。
聴覚障害者の方が、大人数でご来店された場合などはひとりひとりと順番に筆談でお話ししていては時間がかかってしまい、料理の提供が遅れてしまうこともあります。
迅速に正確にコミュニケーションを取るために、大きな字でわかりやすく表記できるホワイトボードはひとつあるととても便利です。
・メモ帳は常にポケットに
ホールスタッフは全員、ポケットにメモ帳とボールペンを携帯しておきましょう。
メモ帳は、聴覚障害者の方とのコミュニケーション以外にも様々な使い道がありますし、すべてのスタッフがすべてのお客様に対応できるようにしておくのは大切なことです。
障害があることを理由に入店拒否などは法律違反になります
2016年に、手話を出来るスタッフがいないことを理由に、聴覚障害者の団体の予約を断った飲食店が「不適切な対応だった」と謝罪したニュースは記憶に新しいところです。
この飲食店は正式に謝罪することで、今のところそれ以上の問題への発展はありませんでした。
障害者であることを理由に、入店拒否等をすることは障害者差別禁止法に抵触する可能性があります。
もちろん、法律で定められていなくても差別はもってのほかです。
経営者だけでなく、スタッフにもしっかりと対応をするように周知しておく必要があります。
こんな対応をしています!
観光地で10年以上営業している個人経営のサンドイッチ店では、聴覚障害者のお客様には、このような対応をしているそうです。
「当店では、聴覚障害者の方がご来店されたらまず、筆談で手話が出来るスタッフがいないので筆談と指差しで対応させていただいてよいかを確認させていただきます。
今まで100名近くの聴覚障害者の方がご来店されましたが、1度も筆談を断られたことはありません。
あとは筆談とメニューの指差しで、注文をとります。そして、いつでも意志疎通が出来るように、お客様にもメモ帳とペンをお渡しして、何かあればスタッフにメモを渡していただくようにお願いしています。
スタッフには、聴覚障害者のお客様がお座りになっているテーブルには特に注意をするように指導しています。というのも、当店は小さな店舗なので、ベルを客席に置いていません。ですから、聴覚障害者のお客様は手を上げたり眼があったときに合図をしたりして、スタッフを呼ぶことになります。注意を払うようにという指示は、お客様の合図に、誰かがすぐに気づけるようにするためです。
筆談できる環境とちょっとした心配りで、円滑なコミュニケーションができます。リピートでご来店いただく方も多いですし、口コミでご紹介いただける事も多々ありますので、とても感謝しています。」
手話が出来るスタッフがいない場合は、注文のミスがないように筆者をお願いするのが1番間違いがないようです。
まとめ
聴覚障害者のお客様への対応は、手話が出来るスタッフがいない場合は、筆談がメインとなります。
手話が出来るスタッフがいれば、それに越したことはありませんが、なかなかそうも行かないのが現実です。
筆談やメニューの指差してを最大限に活用すれば、問題なくコミュニケーションを取ることが出来ます。しっかりと笑顔で接客するように心がけましょう。