夫婦で飲食店を開業するときのポイントや心構え

夫婦で飲食店を開業するときのポイントや心構え

飲食店では夫婦経営の場合、気を付けるべきポイントや成功するために知っておきたいことがいくつかあります。今回は夫婦経営だからこそ知っておきたい事柄についてご紹介します。


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夫婦でカフェや居酒屋、小料理屋などを小規模で営んでいるという方は少なくありません。また、夫婦でお店を出すことを夢にしているという方も多いでしょう。

飲食店では夫婦経営の場合、気を付けるべきポイントや成功するために知っておきたいことがいくつかあります。今回は夫婦経営だからこそ知っておきたい事柄についてご紹介します。

役割分担をする

夫婦経営の場合、同じ日に2人が揃ってお店にいるということが多いでしょう。この時に気を付けたいのが「役割分担をする」ということです。
まずスタッフを雇う場合。スタッフにとって夫婦2人ともがオーナーとなります。夫婦でしっかり店内の様子をチェックすることは大事なのですが、スタッフにとってオーナーが2人も店内にいるということはプレッシャーになってしまいます。

また、夫婦だと言い争いやぶつかり合うこともあるでしょう。そういったトラブルが店内で起きたらスタッフはどう感じるでしょうか?どうしても働きづらさを感じてしまいますよね。そのため、夫婦経営の場合はどちらかを「オーナー」とし、どちらかを「サポート」として役割分担をすることが大切です。

必ずしも2人が一緒に店内にいる必要はありません。夫が店内のチェックをしている間、妻は仕入れや取引先へ出かける…。などして役割分担をすればスタッフに必要以上のプレッシャーをかけることもありませんし、作業効率も上がります。

実際に繁盛店では夫婦がともに現場に出ることは少ないと言われています。どうすれば効率よく仕事ができるのか、現場に出てどういったことをするのかなどをしっかり考えましょう。そうすれば本当により良い経営をするには夫婦が一緒に現場に出る必要はあまりないということが解ります。

夫婦のみで経営していく場合

スタッフを雇わず、夫婦のみで経営する際も「役割分担」が大切です。例えば夫がメインで調理をし、妻はホール業務や事務作業に専念するといった形になります。

2人だけで経営する場合は必要に応じて行動しなければなりませんよね。しかし役割をしっかり決めていないと効率よく作業ができなくなり、言い争いやぶつかり合いに発展することも考えらえます。

居酒屋の場合だと、仕込みは夫婦で行い、営業中に調理するのは夫のみ。妻はオーダー・皿洗い・配膳・ドリンクの用意などを行うといった形で役割分担をしている場合が多いです。しっかりと自分の役割を決めておけば必要以上にぶつかることもありませんし、それぞれが自分の仕事をきちんと行えるため効率も良くなります。「できる時にできる人がやる」という形ではなく、きちんと分担を行うことがポイントです。

プライベートと仕事を分けて考える

夫婦経営の場合、よくあるトラブルが喧嘩。どうしても夫婦や家族経営の場合、機嫌が悪いと当たってしまい、それを隠すことができなくなることがあります。例えば喧嘩している最中でも仕事であれば会話が必要になります。しかしお互いが喧嘩を引きずってしまい業務中も態度が悪くなってしまうことがあります。直接言い争いをしているわけではなくとも、顧客にはその雰囲気の悪さが伝わってしまうことがあります。

こうなればどんなに美味しい料理を提供しているお店であっても、顧客は居づらさを感じてしまいますよね。夫婦とはいえ、職場であるお店はプライベートと分けて考えるべきです。夫婦経営の飲食店が失敗してしまう大きな理由の1つがこのケジメがしっかりできていないこと。

夫婦間で「喧嘩をしても仕事には持ち込まない」ということをちゃんと確認し、守ることが大切です。また、プライベートの時間に仕事の話ばかりをするのもあまりよくありません。仕事について話すのは店内や、「ミーティング」として時間をとったときだけにしておきましょう。家庭で仕事の話になるとここでもまた衝突が起きる可能性があります。

夫婦だけで解決しようとせず、専門家に頼るのも◎

夫婦経営の場合、経営で問題が出た場合や何か新しいことを始めようとしたときなど話し合うことがあると思います。この時、どちらかが決定権を持っている場合は特に問題はありませんが、夫婦の関係性によっては意見がぶつかり合うこともあるでしょう。

特に経営に関しては人によって意見が全く違うことがありますし、実際にやってみないと正解は解らないという点もあります。そこで夫婦経営の場合は行き詰ったら「アドバイザー」として経営の専門家や専門の業者などに相談し、第3者を話し合いに参加させるというのもよい方法です。

2人だけだと、意見がぶつかったときにこじれてしまいがちですが、そこに他人が加わることでよい方向に進むこともあります。規模の大きいお店ならスタッフたちも交えて意見を出していくのもいいでしょう。夫婦経営だからと言って夫婦だけで解決しようとせず、周囲の人間の力も借りる。このことを忘れず、経営に取り組むことが大切です。

日ごろから仲のいい夫婦でいられるよう、心がけよう

夫婦経営の最大のポイントは夫婦間の関係が良いかどうかという点です。夫婦としての関係が良いと商売も上手くいくようになってくる。という話もよく聞かれます。夫婦として、仕事のパートナーとしてやっていくには日ごろからお互いをねぎらい、思いあうことも大切なポイントです。

家庭のみならず仕事でも一緒になることが多くなるため、どうしても意見が食い違う、喧嘩が多くなるということはあるでしょう。しかしお互いが「仲良くいよう」「喧嘩をしないでいよう」と心がけることでトラブルは防ぐことができます。顧客に対しての思いやりはもちろん、夫婦間でお互いに対してきちんと思いあえる関係でいられるよう、心がけましょう。