なかなか帰らない…
回転率
飲食店経営をする時に重要なポイントとなるのが”回転率”です。
回転率を上げて利益を得るタイプの飲食店の場合、必要以上に長居されるのは経営的にも困ったものです。
そして、長く店内にいるお客様ほどソファー席や窓側などの”より居心地がいい場所”を占領する傾向がありますので、出来れば早くお帰りいただきたいと思うこともあります。
世代にもよる
特にカフェやレストランの場合に顕著ですが、喫茶店にコーヒー一杯で何時間もいることが普通だったバブル世代の方は長居することを全く意識していない場合もあります。
【パターン別】対処法
おしゃべりに花が咲いている
女性同士や趣味仲間でご利用されているお客様によく見られるパターンです。
おしゃべりが白熱すると、本人達は時間の感覚をすっかり忘れて”気づいたらこんな時間にっ?!”とハッとする場合が多くなります。
おしゃべりの声がだんだん大きくなってきたり、食事もドリンクもとっくに終わっているのにお冷やを要求されたりするといわゆる”白熱している”状態になっていると考えられます。
おしゃべりが白熱しているときは、時間の経過が解るもの…例えばランチタイムのメニュー表からディナーのメニュー表に変えたり、ブラインドを下ろしたりすると、さり気なく時間の経過を知らせることができます。
それでも、気づかない場合は白熱したおしゃべりの腰をおらないことには退店していただけません。
例えば、”ランチタイムならランチタイムが終わった旨知らせる”あるいは”食べ終わった食器を下げる”という方法があります。それでも気にせずにおしゃべりを続けるようなら、声が大きめの方達であれば「ほかのお客様もいらっしゃいますので、少しお静かにお話していただけませんでしょうか」とお願いするのも有効です。
店内が込み合ってきても、全く気にしないようでしたら「お食事がお済みでしたら、他のお客様にお席をお譲りいただけませんでしょうか」とお願いして、一番少額のチケットや割引券を差し上げるという方法もあります。
ここで、何も差し上げないと「追い出された」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、例え少額でも何か差し上げておけば、「お願いされただけ」と受け取る可能性が高くなります。
スタッフやオーナーと仲がよい
常連客に多いのが、スタッフやオーナーと仲がよくて話をしているから帰らないパターンです。
この場合は、まずスタッフやオーナーの方が話をやめることです。もしお客様から話しかけられて困るという場合は、周りのスタッフや現場責任者が、お客様に捕まっているスタッフに仕事をふってその場を離れられるようにしましょう。
待ち合わせしていて帰れない
待ち合わせをしていて帰れないお客様の場合は、退店をお願いする事は出来ません。
この場合は、サービスだと割り切ってあえて居心地がよいようにして差し上げる方が今後の集客に繋がります。
というのも、待ち合わせで帰れない方は長居したくてしているわけではないからです。そのような方は、長居してしまって申し訳ないと思っているわけですから、常識的ないい顧客になる可能性が高くなります。
こまめにお冷やを追加するなどのサービスで、居心地がよくなるようにして差し上げましょう。
勉強や仕事をしている
学生さんやサラリーマンに多いのが、勉強や仕事をしているパターンです。
以外かもしれませんが、これが一番厄介です。
まず、このようなお客様は“初めから長居するつもりで来店”しています。だから、店内が混んでも一切気にしません。むしろ自分が納得するまで退店しないのです。
ある程度は容認するしかありませんが、このようなお客様が多いようならいくつか対策をとる必要があります。
たとえば、勉強や仕事はお断りする旨の貼り紙をするのも効果的です。もしくは、ある一定の時間が経過したら「お勉強やお仕事での長時間のご利用はご遠慮ください」と声をおかけするルールを予め作っておくという方法もあります。
閉店時間を過ぎても帰らない
ラストオーダーぎりぎりに駆け込んできて、閉店時間を過ぎていても帰らない方もいらっしゃいます。
このような方は、閉店時間を解っていても気にしなくてよいと考えていらっしゃる場合がほとんどです。
オーダーの際に、閉店時間をしっかりとお伝えしそれでもよいかを先に了承していただくと、必要以上に長居される可能性は低くなります。
もし、それでも効果がない場合はお食事やドリンクがお済みなら「閉店時間となりました」とお声かけして構いません。
多少、言いにくい事ではありますが、言わなければ来店するたびに同じように長居されます。最初が肝心ともいえます。
プチテクニック
長居するタイプのお客様が来店したときに、先手を打つことができるプチテクニックもあります。
他にお客様がいらっしゃらないのなら、店内のBGMを少し大きくすると、僅かな音量の差が違和感になって早く帰りたくなることもあります。閉店時間なら、看板の電気を消してテーブルを明日のために整えていくという方法もあります。
出来ることなら、こちらから声をかけずにいる方が平和です。このようなプチテクニックも覚えておくと便利です。
まとめ
なかなか帰らないお客様にも、パターンがあります。場合によってはあえて居ていただくことで印象をよくすることもできます。
状況をよく見極めて、必要なときには躊躇なく声をかけるようにしましょう。