飲食店のオーブンについての基礎知識

飲食店のオーブンについての基礎知識

オーブンとは「窯」の意味で、内部の温度を上げることにより素材を焼くことができる調理器具です。直接火で焼く料理方法と違い、密閉された庫内を高温に保つなど温度管理がしやすく時間をかけてじっくり火を通したい調理に向いています。


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オーブンってどんなもの?

オーブンとは「窯」の意味で、内部の温度を上げることにより素材を焼くことができる調理器具です。直接火で焼く料理方法と違い、密閉された庫内を高温に保つなど温度管理がしやすく時間をかけてじっくり火を通したい調理に向いています。(蒸し焼き状態のようになるので大きめの肉の塊に時間をかけて火を通したい場合やケーキを焼く場合など)

業務用のオーブンについて メリット・デメリットを紹介

飲食店で使われているオーブンは大きく分けて2種類あります。コンベクションオーブンとスチームコンベクションオーブンです。2種ともガスか電気で加熱します。

コンベクションオーブンは、焼く機能のほかに熱風で熱することができます。業務用のオーブンでは以前から採用されています。熱風をファンで循環させるため、温度を上げる効率がいいこと、庫内の温度にムラができにくいことなどがメリットです。
最近では家電のオーブンレンジにも採用されている場合も多くなっています。
デメリットとしてはファンを取り付けているため庫内が狭くなってしまうということです。

スチームコンベクションオーブン(スチコンとも略されます)はコンベクションオーブンの機能にプラスして、スチーム(蒸気)で蒸す、焼く、炒める、炊くの調理方法ができます。コンロでできるすべての調理方法が可能なので調理方法の幅は広がりますし、作業効率も格段に上がりますが、できることが多いために使いこなすためには相応の知識が必要になります。メーカーに相談してみるのもいいでしょう。電話相談ができたり、メーカーの方が出張で説明してくれるサービスがある場合もあります。
また、できることが多い分高価であることや場所を確保しなくてはいけないこと、1度に調理できる量が少な目であるなどデメリットもあります。

数は少なくなってきていますが、コンベクション(熱風を循環させるタイプ)オーブンではない熱風を自然対流させておくオーブンもあります。
コンベクションオーブンに対して、熱のムラができてしまうので焼き時間がかかってしまう、焼きムラができてしまうなどのデメリットがあります。
メリットとしては熱が穏やかに伝わるためケーキを焼く場合に失敗が少ないということがあります。

コンベクションオーブンを利用してできること

ここではコンベクションオーブンについて説明します。
コンベクションオーブンの庫内には、上下にヒーターと、熱風を送り出し循環させるためのファンがあることが一般的です。この上下のヒーターと熱風の組み合わせ方により、一般的なオーブン調理以外の調理も可能です。
・ピザなどを高温でムラなく焼きあげる コンベクション調理
上下のヒーターとファンを使用
・時間をかけて熱を通す料理 ケーキ、ローストビーフ、チキンなど一般的なオーブン調理
上下ヒーターを使用
時間をかけて調理するという意味ではハンバーグをオーブンで調理することがわかりやすい例になります。 ハンバーグの場合は表面の焼き色をフライパンで付けて、そのあとオーブンでじっくり焼き上げる調理法が一般的です。じっくり焼き上げることで肉汁の流出を防ぎジューシーなハンバーグを作ることができます。
・焼き目をつけたいグリル調理 トースターと一緒 焦げ目をつけつつ加熱調理
上ヒーターを強めに使用
・茶碗蒸しなどゆっくり火を通したい調理 調理の仕上げにも使える スローベーク調理
下ヒーターのみ使用

オーブンを導入するメリット・デメリット

オーブンでできることを説明してきましたが、オーブンがなければできないレシピ(大きめの肉に火を通しジューシーに仕上げる、焼き目をつけるなど)も多く、導入することでメニュー数が格段に上がることは間違いありません。
また、プライパン調理などでは不可能な上下同時に焼くことができるので、1度に大量の食材の両面を焼くことが可能です。ひっくり返す作業がなくなるため作業時間の効率化を図ることができます。また温度帯が同じ調理なら同時に行うことができるので、作業時間や手間が一気に減ります。

デメリットとしては、機能が多いもの、性能の良いものはどうしても高価になってしまうということです。また維持管理にも手間がかかります。性能が良いゆえに、数年に1度などの頻度で故障や調子が悪くなる場合があるそうです。
解決策としては、必要な機能を把握してお店に合ったオーブンを購入すること、また中古のオーブンも出回っているので検討してみることもおすすめします。また、レンタルのサービスもある場合がありますので、導入を検討されている場合は試してみてもいいかもしれません。
故障や不具合に対する対策としては、日々のこまめな手入れが重要になります。特にオーブンの庫内は汚れてしまいやすいので汚れが固まってしまわないうちに毎日清掃する必要があります。作業従事者とも使用方法や注意事項などの確認を徹底し、間違った使用をしないことも故障を未然に防ぐことになります。庫内の自動洗浄機能がついているオーブンもあるようです。必要に応じて検討見てください。

いかがでしたでしょうか?大変高価な調理器具になりますでの導入の際には、メーカーなどにも確認相談をしながら検討していただきたいと思います。