オーナーシェフとして飲食店を経営するためのポイント

オーナーシェフとして飲食店を経営するためのポイント

オーナーシェフが経営するお店というものはどういった点に気を付ければいいのかなど、基本的な経営のポイントについてご紹介します。


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近年は、飲食店の経営形態として主流になってきている「オーナーシェフ経営」のお店。「オーナシェフ」と聞くと、一流のシェフが独立し手開業したお店のことを言うように感じますが、必ずしも長年修業したシェフでないとオーナーシェフになれないというわけではありません。

オーナーシェフが経営するお店というものはどういった点に気を付ければいいのかなど、基本的な経営のポイントについてご紹介します。

オーナーシェフ経営の飲食店の増加

今まではオーナーとシェフが別にいて、オーナーは定期的にお店のチェックをしに数時間店内にいるだけ、という形態のお店も少なくありませんでした。しかし近年ではオーナー自らが調理場に立ち、接客から経営まですべてこなすという方式で行う、「オーナーシェフ経営」のお店が増えてきています。

オーナーシェフが経営するお店が増えている理由は、この形態でないと、人件費がより多くかかってしまうためなかなか成功しないからだとも言われています。また、シェフとして現場に立つことで顧客の反応や満足度などを知ることができるため、よりよいお店作りができるといったメリットもあります。

複数店舗を経営するというわけではなく、お店を自分で1人で経営したい、小さいお店を夫婦で経営していきたいという場合も、「オーナーシェフ経営」という形になります。

また、フランチャイズなどに加盟して、メニューや食材を提供してもらい自分が調理して提供するという場合も、ただの「オーナー」ではなく「オーナーシェフ」と呼ぶことができます。

食に関するこだわりだけでなく経営手腕が必要

修業を積んだ料理人がオーナーシェフとして独立する場合は、その味が大きなアピールポイントとなるでしょう。ですが、実際には一流の料理人が作っているからといって必ずしも繁盛するお店になるとは限りません。

成功するためには、味や品質など食へのこだわりだけでなく経営における手腕も必要となってきます。周囲への営業やイベントなどの企画、経費についてなども考えなくてはなりません。

オーナーシェフとして成功するには、おいしい食事をつくればいいだけではなく、しっかりと繁盛するお店にできる経営のコツを知っておく必要があります。そのためには、経営に関するノウハウを勉強しなければなりません。

オーナーシェフ経営を成功させるポイント

経営を成功させるためには、非常に多くのことを学ばなければなりませんその中でもオーナーシェフが見落としがちな部分や、オーナシェフだからこそできる経営のポイントをご紹介します。

・お金の管理をしっかり行う

レジのお金の管理はもちろんのこと、仕入れ値や光熱費といった細かい費用の計算、売り上げの把握などは経営において非常に重要なポイントです。

特に食にこだわりのあるオーナーシェフの場合は、原材料にこだわりすぎて利益の計算がおろそかになってしまうことがあります。原材料費がかかった分メニューの金額を上げれば利益は生まれます。しかし高いと一定の層の顧客しか集まらないというデメリットも生まれてしまいいます。

こだわっておいしい料理を作ることは大切ですが、仕入れ先をしっかり調査してコストを減らす、できるだけ顧客に嬉しい価格に抑えるといった工夫も必要です。

・顧客のニーズをしっかり読み取る

オーナーシェフの場合は、顧客が食事をした際の反応を間近で確認できるというメリットがあります。そのメリットを活かして「どのメニューが人気か」「なにか足りない部分はないか」「顧客は何を求めているのか」ということをしっかりチェックしましょう。

場合によってはレジに立ち、「いかがでしたか?」と顧客に感想を聞いてみてもいいでしょう。積極的に顧客とコミュニケーションをとり、どういった料理をつくり、どういったサービスをすればより顧客を満足させられるのかを考えていきましょう。

・スタッフの教育にも力を入れる

1人で経営、夫婦で経営、といったスタイルの場合は不要ですが、スタッフを雇って経営する場合は人材育成もオーナーシェフの役割です。ただ料理を作っていればいいシェフとは違い、スタッフの教育にも力を入れてサービスの質を向上させていくことが重要となります。

接客の様子や勤務態度などをチェックし、しっかりと指示を行ってお店の雰囲気に合ったよりよいスタッフの育成に励みましょう。

・こだわりすぎに注意する

オーナーシェフの場合は料理に関してもそうですが、内装、お店の備品選びの際にも「こだわり」を意識しすぎてしまう傾向があると言われています。料理のジャンルに合った雰囲気やおしゃれな食器や備品のそろうお店はもちろん魅力的です。しかし、経営ノウハウを無視して自分のイメージだけで決めてしまうと、顧客が実際に入ると店内が歩きにくい、照明は料理がおいしそうに見えない色になっているといった失敗が起きてしまうことも。こだわりすぎて内装工事費などがかかりすぎることもあります。

お店作りの際は、顧客が過ごしやすく、なおかつ料理をより楽しむことができるお店作りを心がけてみるといいでしょう。こだわりたいポイントは最低限に抑えつつ素敵なお店が作れるように工夫をしていきましょう。