お客様からの差し入れにはパターンがあります
オープンからしばらく経つと、オーナーやスタッフの友達や知り合いではなく、純粋な”お客様”から差し入れを頂くことがあります。この差し入れにはパターンがあります。それによって対応も変わってきます。
・店への差し入れの場合
一番多いのがこのパターンです。特定のスタッフへの差し入れではなく”店のみんなに”という趣旨のもので、ジュースやアイスクリームなどの比較的リーズナブルなものが選ばれます。
このような場合は、断るのも角が経ちますからありがたくいただいておきましょう。あとで、店のTwitterやFacebookに写真などをアップロードして「みんなでおいしくいただきました。ありがとうございます。」というコメントをすると、差し入れをしてくださったお客様も満足してくれます。
・個人的な差し入れの場合
そして、時々あるのが、お客様が自分の気にいったスタッフに個人的に差し入れをするというケースです。このパターンの場合は、徐々に金額が高価になってしまい、差し入れというよりプレゼントという要素が強くなっていくという特徴があります。
例えば、店のオーナーへの差し入れなどであれば個人的な差し入れでも不公平感が生まれることはあまりありません。ですが、雇われているスタッフへの個人的な差し入れの場合はスタッフ間での不公平感の原因になることもあります。
そして、なによりも「店のコンセプトが崩れる」ことにもなりかねません。あくまで飲食店であって、夜のキャバクラなどとは違うわけですからこの場合は注意が必要です。
何度も続くようなら、個人的なやりとりは休憩時間か勤務時間外に店の外でするようにスタッフに注意し、お客様には「いつも○○を気にかけていただいてありがとうございます。大変心苦しいのですが、個人的なやりとりは勤務時間外にお願いできればと思います。他のスタッフとの兼ね合いもありますので」と丁寧かつストレートにお願いしましょう。
このような場合、お客様の側には全く悪気がないことが多いので言わなければ気づいてくれません。ハッキリとそして丁寧に言うのがポイントです。
差し入れの頻度や価格にも注意
・頻度が多いときは
たまに差し入れをくださるのは、遠慮なくいただいて構いません。そのほうがお客様も喜ばれますので、いただいた分を何らかのサービスでお返しすればより関係が良くなります。
困るのは、頻度が多い場合です。例えば、飴やチョコレートなどリーズナブルなものなら頻度が多くてもそれほど気にすることはありません。ですが、それなりに高価なものの場合は対応が難しくなります。
お客様が”差し入れすることを喜んでいる”場合は、あえて断ることはありません。お客様にとってもそれが楽しみなわけですから、ありがたく受けておきましょう。
ただ、お客様が”引っ込みがつかなくなっている”時や”いつもしているからという流れ”で差し入れをしているような場合は「いつも、ありがとうございます。お気を遣わせるのも申し訳ないので、次回からは手ぶらでいらしてください」と声をかけましょう。それでもお客様が、差し入れを続ける場合はもう断りようがありませんのでお受けしましょう。
差し入れを受け取ることも、サービスのひとつです。
・高級品の場合
差し入れが高級スイーツや高級フルーツの場合も、基本的にいただいて構いません。というのも”高級だから受け取らない”という対応は、お客様に気まずさしか与えないからです。
ただ、高級なものを頂いたときはそれなりのメニューなどでしっかりお返しをしましょう。
他のお客様に見られたときは
差し入れをいつ渡すかは、お客様にかかってきます。こっそり渡してくださる方もいれば、他のお客様の目を気にせずに豪快に渡す方もいます。
店側としては、こっそり渡して下さる方が有り難いのですが、こればかりは指定するわけにも行きません。他のお客様の目に触れたときは、差し入れして下さった方の許可を頂いてから分けて差し上げる対応をするのもおすすめです。
”みんなでいただきましょう”という空気を作ることで一体感が生まれて、親しみのあるお店にする事ができます。
大切なのは、誰にも疎外感を与えない事です。このような時はマニュアルにとらわれずに、対応しましょう。
具体的に何をお返しすれば?
・基本的には店のメニューからセレクト
お返しは基本的に”販売価格がいただいた物より少し高いもの”をセレクトしましょう。
リーズナブルな差し入れなら、ドリンクやスイーツ、高価なものの場合は見た目がゴージャスな看板メニューなどがおすすめです。
しっかりお返しをすることで成り立つ信頼関係があります。
まとめ
差し入れは有り難い反面、場合によっては対応に困るものでもあります。
ですが、お客様のほうは差し入れを楽しんでいることが多いので基本的に”受け取ることはサービス”です。
そして、差し入れをしてくださるお客様は、貴重な常連客でもあります。お返しをすることで信頼関係を作ることができますので、大切にしましょう。