飲食店の経営者が知っておきたい経費をうまく使った節税のコツ

飲食店の経営者が知っておきたい経費をうまく使った節税のコツ

利益を出すには売上げを伸ばしつつ、一方でいかに効率よく経費を使って節税をするかもミソと考えます。そこで、この記事では当然事業上経費として100%認められるものは別として、その経費の取り扱い次第でかなり利益に貢献する経費を取り上げて解説します。


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飲食店の個人事業主にとって売上げを大きくすることがまず一番の課題ですが、やはり利益を出してこそ事業は継続できます。利益を出すには売上げを伸ばしつつ、一方でいかに効率よく経費を使って節税をするかもミソと考えます。

法人の場合は経費の計上には色々な制限がありますが、個人事業主の場合は経費として認められる幅がかなり広く、事業主の裁量次第で節税できる額も相当違ってきます。

そこで、この記事では当然事業上経費として100%認められるものは別として、その経費の取り扱い次第でかなり利益に貢献する経費を取り上げて解説します。

家事関連経費

この家事関連経費とは個人事業主が家庭生活を営む中で事業に関連する経費として認められる項目のことを言います。ただしこの家事関連費が経費として認められるのは個人事業主が青色申告をしていることが前提です。

飲食業の場合、自己所有、賃貸物件は別として、その店舗が自宅と兼用されているケースがよくあります。すると事業活動と個人の生活が色々な場面で重なることがあり、どの水準まで事業の経費として計上できるかという問題が生じます。そこで主な家事関連経費を取り上げます。

店舗兼住宅を事業主本人が所有している場合

この場合のポイントは店舗部分に関してどの程度費用化できるかという点です。通常店舗は建物部分が減価償却できますので、建物全体の取得価格×事業部分割合を出してその取得費を定額法によって数年にわたり減価償却します。個人事業主は通常定額法ですが、届けによって定率法も選べますので早めに大きく費用化もできます。またその建物全体に掛かる固定資産税なども面積で按分することで事業に関連した経費とすることが可能です。

店舗兼住宅が親族名義だった場合

この場合、親族とは生計を一にする配偶者や父母なども含みますが、表面的に地代家賃を払っていたとしても税務署はそれを経費として認めません。後で無駄な修正をしないためにもこれは押さえておきたいポイントです。しかし一方ではその店舗部分に関しては減価償却費、固定資産税、火災保険料、水道光熱費などは按分計算により経費にできるメリットもあります。

その他家事関連費

①損害保険料

代表的なものに車両にかかる損害保険があります。小規模な飲食店なら車両を個人用と営業用として兼用しているケースもあるでしょう。
そのような場合、当然損害保険料も走った走行距離によって按分して経費化する必要があります。後で税務調査にもしっかり答えられるように計算根拠となる書類はしっかり整理・保管しておきましょう。

②火災保険料

店舗兼住宅の建物には一般的に火災保険が掛けられています。この場合も店舗の部分に係る火災保険料は面積按分によって費用化できます。

③通信費

固定電話や携帯電話を個人と事業で兼用している場合も使用頻度により按分してその費用を通信費として落とせます。一般的に使用料金を銀行からの口座振替で支払っていることが多いと思います。この場合大事なことは、単に通帳を保管することだけでなく、その利用明細表も税務調査に備えて最後まで整理・保管することです。

④新聞図書費

これなども個人と事業のすみわけがあいまいな項目です。飲食店では顧客用に新聞とか雑誌等を購読しているところが多いです。しかしこれは個人でも利用できます。

サラリーマンなら自分の給与から全額出して購入する必要がありますが、個人事業主なら新聞図書費として経費処理して利用することができます。個人事業主ならではのメリットですね。

それでは次に家事関連経費から他の経費に目を移してみましょう。

租税公課

租税公課の場合、その年に税額が確定したものについては全額経費とできる点がポイントになります。

例えば固定資産税の場合、年度の初め4月に税額が本人に通知されます。税額確定後、通常4回に分けて納付すればいいのですが、最後の支払いが翌年2月になることが常です。すると実際の支払いは翌年になったとしても、事業主は確定した支払い通知によって1年分をまとめてその年度の経費として計上してもいいので結果として節税できるようになります。

また一方で経費にできない税金もあります。代表的なものは所得税・住民税です。さらに虚偽の確定申告したことに対して課される重加算税や申告・納付が遅れた場合の延滞税も罰金という意味合いから費用に計上できません。

接待交際費

接待交際費は個人事業主が節税に利用できる項目としては最たるものです。法人は接待交際費に関して仮に中小法人でも金額面で制限がありますが、個人事業主に関してはこの金額制限がありません。言い換えればうまくつかえばかなり節税できるということです。ただ調子に乗って何でも接待交際費処理すると、税務署ににらまれる可能性もありますので、その点は常識の範囲内でしっかり活用しましょう。

間違いやすい項目として取引先の冠婚葬祭に伴う香典があります。これなどは一見接待交際費で落としそうですが、これは慶弔費で落とすことが可能です。ただ領収証が出ないので渡した相手先の名前とか支払いの日次はしっかり記録しておいてください。

さらに仕入先と仕事の打合せのため一緒に食事した時なども、接待交際費でなく会議費で引き落としできます。こうすることでやたらに接待交際費の金額を増やすことなく、本当に必要な時に接待交際費をうまく使って効果的な節税を図れると思います。

福利厚生費

これなども家事と事業があいまいな分野です。

一般的に休憩時に従業員に対して出すお茶・コーヒーの類、あるいは忘年会の費用などは全て福利厚生費で落とせます。それでは従業員はいなくて、その飲食店を事業主本人と配偶者のみ、あるいはその事業主と跡継ぎだけでやっているような場合はどうでしょうか。

この場合、事業の合間に使うお茶・コーヒー・軽食の類もまた福利厚生費として落とすことができます。個人利用分だと厳格に考える必要もなく、このようにうまく福利厚生費を使えば金額は大きくなくても積み重なれば節税につなげることができます。

まとめ

個人事業主の場合、どの項目をどの程度まで経費として計上するかは本人次第です。ただ黙っていても節税の観点からアドバイスしてくれる人はいません。事態は時間の経過とともにどんどん無為に過ぎていくだけです。全ては個人事業主が経費に対する関心を強く持ちどう動くかに掛かっています。

しっかり経費の勉強をして、常日頃から必要な請求書・領収書の類を整理保存しながら、積極的に節税のアイデアを事業の中に取り込んでいく姿勢が必要だと考えています。