テイクアウトをすすめたくなるタイミングもある
イートインとテイクアウトの両方に対応している場合、基本的にはどちらでも構わないというスタンスだと思います。でも、”出来れば今はテイクアウトにしてほしい”と思うタイミングが必ずあります。
・混み合っているとき
店内が込み合っているときには、やはりテイクアウトをおすすめしたいところです。混み合う店内に更に人が増えると、料理を運ぶスタッフとぶつかったり店内がうるさくなったりします。
・テーブルの片付けが追いついていない
混み合う時間の後で、まだテーブルの片付けが追いついていないときもテイクアウトをすすめたいポイントです。
片付けが追いついていないということは、他の作業も追いついていないということです。こういう場合は、まずは一通りの作業を終えてからイートインしていただくほうが、スタッフとしては助かるという局面です。
・手にアイスクリーム等を持っている場合
お客様が入店時にアイスクリームなどを持っている場合は、イートインはお断りしたほうがよいでしょう。
そのままの流れで、持ち込みを許可すると他のお客様まで持ち込みをするようになることもあります。持ち込みの許可はかなりのリスクがありますので、理由を説明してテイクアウトでお願いしましょう。
・賑やかな団体の場合
賑やかな団体の場合も、状況によってはテイクアウトでお願いしたいお客様です。
店舗がコンパクトであればあるほど、賑やかな団体が入店すると他のお客様は店に入りづらくなります。
また、中には、”賑やか”ではなく”うるさい”と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
テイクアウトを進めるタイミングとコツは?
・注目時がベスト
テイクアウトをすすめるタイミングは、注文時がベストです。全ての注文を受けて、確認したタイミングが一番スムーズで自然です。
このタイミングで聞くのを忘れると、どちらにするか決めていないお客様の中には「もう食べて帰ろうか」と思う方も出てきます。
・テイクアウトをすすめるコツは?
イートインかテイクアウトを尋ねる場合、聞き方にコツがあります。
例えばイートインかテイクアウトか迷っている場合や決めていない場合に
「こちらで召し上がりますか?お持ち帰りですか?」
と聞かれるのと
「お持ち帰りで宜しいでしょうか?」
と聞かれるのと、どちらがよりテイクアウトを選びやすいでしょうか?
正解は後者です。
”イートインする”と確固たる意志をもって来店された方の場合はこれは仕方ありません。ですが、まだ何も決めていないニュートラルな状態でスタッフ側が「お持ち帰り」という言葉のみを強調すると、高確率で「テイクアウト」になります。
あるサンドイッチ店では、テイクアウトをして欲しいときの聞き方を変えると”ほとんどの方がお持ち帰り”になったそうです。
近くの公園や景色のいいスポットを調べておく
・最後の一押しになる
テイクアウトを勧めていても「やっぱり食べて行こうか」という方向になりそうなときに、”近くに景色のいい場所がある”という言葉があれば、かなりの高確率でテイクアウトするようになります。
車なら15分以内、徒歩なら数分が目安です。その圏内にある、テーブルや椅子のある公園や芝生の広場、景色のいい場所や季節の花の名所などを頭に入れておきましょう。
・地図や観光案内があるとよい
ある飲食店では、テイクアウトを勧めるために「大したことない物でも、景色がよければ美味しいですよ~」と自虐的な冗談を交えてお客様と会話をしていたそうです。
そうすると、大半の方が「そんなことないけど、じゃあ行ってみようか」と場所を尋ねてきたといいます。
テイクアウトをおすすめしたいほど、忙しい中で道の説明をするのは、かなりの手間になります。このような時に、さっと地図や観光案内などを渡せるように準備しておきましょう。
テイクアウトの魅力はほかにもたくさん
テイクアウトはコスト面でもメリットがあります。
確かに、テイクアウトするには梱包資材が必要ですからイートインより原価があがるという側面はあります。
では、テイクアウトのメリットとはどのようなものなのでしょうか。
・混んでいても待たずに商品を購入できる
テイクアウトをすすめることは、テイクアウト対応可能というアナウンスでもあります。
つまり、店内が満席でも、席が空くのを待たずに商品を購入できるということです。
・お土産という需要
テイクアウトをすすめてもイートインされる方も当然いらっしゃいます。このような場合でも、テイクアウトを強調してすすめることが”お土産”という新たな需要を産み出すことに繋がります。
・回転率や席数との関係
回転率を上げること=早く帰って貰うことでもあります。これは、居心地のよい店舗をつくることと相反する考え方でもあります。
ですが、限られた座席で、売上を伸ばすのは限界があります。つまり、座席の準備が必要ないテイクアウトのほうが、伸びしろがあると言えます。
つまり、テイクアウトを増やすことは回転率や席数の悩みを軽減することに繋がるのです。
まとめ
限られた席数で売上を伸ばしたい!混雑を避けたいというときには、上手くテイクアウトを勧めてお客様を誘導しましょう。
ちょっとした工夫が、円滑な店舗運営のカギとなります。