飲食店でのカロリー表示

飲食店でのカロリー表示

2015年(平成27年)4月に定められた「食品表示法」による、栄養成分の義務表示項目は、「エネルギー(熱量)」「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」である。これは、食品関連事業者が、加工食品、生鮮食品または添加物を販売する場合について適用されるものであり、飲食店は適用対象外である。


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消費者が食品を正しく選択するために有益な情報になるのが、栄養成分に関する表示である。
2015年(平成27年)4月に定められた「食品表示法」による、栄養成分の義務表示項目は、「エネルギー(熱量)」「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」である。これは、食品関連事業者が、加工食品、生鮮食品または添加物を販売する場合について適用されるものであり、飲食店は適用対象外である。

具体的には、レストラン・食堂・喫茶店等の外食事業者が、設備を設けて飲食させる(飲食店で提供される状態のものを客先へ届けるなどの出前を含む)場合には、適用対象外となる。ただし、別の場所で製造・加工したものを仕入れて、単に販売する場合には、製造・加工したもの又は販売をするもののいずれかが表示を行う必要がある。

しかしアンケートによると、外食料理や加工食品の栄養成分表示が必要だと思う人の割合は、男性59.1%、女性73.6%となっており、半数以上が栄養成分表示の必要性を感じている。
また、普段食品を購入する際に、栄養成分表示を参考にしている人の割合は、男性26.1%、女性53.0%であり、その中で、購入する際の参考として必要な栄養成分表示については、「エネルギー(熱量)」の割合が63.5%と最も高くなっている。

これを踏まえると、外食料理についても、そこに含まれる栄養成分、特にエネルギー(カロリー)についての情報に対するニーズが高まっているのがわかる。「カロリー表示」「栄養成分の表示」は、昨今の健康意識の向上における「生活習慣病の予防」や「ダイエット」などを考えている人にとって、大きなアピールポイントになり得るのだ。

摂取カロリーを表示することで、お客様自身が自宅での食事と同じように、食事量のコントロールが容易にできるようになり、大きなメリットになる。また、糖質や塩分などの栄養成分や、アレルギー成分表示の対応をすることによって、安心して注文してもらえるようになる。

また、同じメニューにしても、材料や調味料を変え、低カロリーなものとして提供することで、「あの料理は高カロリーで諦めていたけれど、この店なら低カロリーで食べることが出来る」と満足度がアップし、リピートにつなげることが出来る。

表示方法としては、店内メニューに追加表示する、表示内容が多くなるようであれば、詳細情報を記載したメニュー表を別途用意するのもいいだろう。最近ではスマートフォンなどのインターネットに繋がる端末も普及しているので、QRコードやURLなどを表示してホームページに誘導し、情報を取得できるようにするのもオススメだ。

個人店などではまず、カロリーや成分の数値を出すことに手間を感じ、躊躇してしまうかもしれない。しかしながら、各都道府県など地域や自治体が飲食店の栄養成分表示を推奨しており、マニュアルなども作成されているので、協力して作業を進めていくことが出来る。ぜひ検討してみてほしい。