店舗の売り上げを左右するのが、「客層」と「客単価」である。客層とは、顧客になる人の階層のこと。顧客を性別や年齢、職業、居住地域、所得といった要素で区分したものだ。一方客単価とは、顧客ひとりあたりの買上総額を示す。飲食店での客単価は、顧客ひとりが一度の来店で頼むメニュー金額の総額である。店舗の売り上げ総額を買上人数で割ると、店舗の平均客単価を算出することができる。この平均客単価を調節することで、店舗の売り上げを増大することができるのである。
店舗の売り上げを増やすためには、顧客を増やす・客単価を上げるのふたつの方法がある。客単価を上げるためには、より多くの商品を注文してもらうか、メニューの金額を上げる必要がある。飲食店においては、客単価を上げるためにメニューを増やす、より高価で利益率の高いメニューを注文してもらう工夫をしなければならないということになる。また、客層が変われば客単価も変化する。大衆向けの居酒屋であれば安価なメニューを、高級志向のバルであれば高価なメニューを注文することになる。客単価の高い店舗は、比較的年齢や収入が高い顧客が多くなる。
しかし、客単価を上げようとして、客層を無視した店舗経営を行うことは必ずしも正解とは言えない。客単価は低いものの安定した客層が店舗に根付いている場合、高級志向に舵を切ることによって顧客が離れてしまう危険性があるためだ。客単価が低いと感じる場合には、メニューの内容を見直す、メニューの価格設定を見直す等の細かい調整から初めて全体の客単価を調節する。経営店舗と客層がマッチしているか、また客層から顧客がどういったニーズを持っているかを見極めることで客単価を上げることにつながると言える。