飲食店の内装制限について

飲食店の内装制限について

飲食店などの特殊建築物に当てはまる建築物には、内装制限というものが定められている。飲食店の場合は1.2m以上の高さのある壁部分や天井に制限がかかっている。


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飲食店などの特殊建築物に当てはまる建築物には、内装制限というものが定められている。飲食店の場合は1.2m以上の高さのある壁部分や天井に制限がかかっている。

建築基準法に基づく内装制限とは、壁などを燃えにくい材料にするなどの制限となる。例えば飲食店で内装制限の対象となるのは、耐火建築物なら3回以上の床面積合計が1,000㎡以上・準耐火建築物なら2階部分の床面積合計が500㎡以上・それ以外の建築物なら床面積合計が200㎡以上となる場合である。この対象に当てはまる場合は内装制限がかかり、居室や通路、階段などの仕上げ材料に準不燃材または難燃とよばれる燃えにくい材料を使用しなければならない。

細かい基準や材料に関する制限があるので難しいと感じる方も多いだろう。しかし工事を請け負う業者ならこれらの内装制限についてもしっかり把握しているので基本的には任せておけば問題が生じることは無い。ただし不安に感じる場合は、業者にきちんと内装制限について聞いておくべきだろう。

壁や天井などの建築の材料のみならず、カーテンやじゅうたんなどの敷物も制限がかけられるケースがある。消防法に基づいた基準で行われた検査に合格した製品なら「防災対象物品」という表示がされている。簡単に言えば、通常よりも燃えにくい材質で作られたカーテンやじゅうたんということである。飲食店では敷物類もこのように燃えにくいことが重要となるので必ず確認しておこう。

内装制限に関する細かい基準は地域ごとにも異なる場合がある。ネットで調査してきちんと制限に沿った工事をしていたと思っていたが、実際に消防署の調査を受けると基準を満たしていないと判断されてしまったというケースもある。工事を行う業者がきちんと把握しておくべき部分ではあるが、問題が生じると開店までに時間がかかってしまう可能性もある。そのため、ある程度はどういう制限がかかるのかなどを把握しておくように心がけよう。

内装制限については役場の建築指導課や消防署に問い合わせよう。消防署は地域によって管轄の消防署が変わってくるため、事前にどの消防署に連絡すべきか調査しておこう。解らない場合は近所の消防署に連絡して飲食店を開業する場所の住所を言えば、どこの消防署の管轄になっているのかを教えてくれる。

「内装制限」というと難しく感じるかもしれない。しかし建築に関する知識がなくとも、しっかりと聞いておけばトラブルが起きることもないので、専門家や対象の業者としっかり話し合っておくことが重要である。