飲食店でかかる料金の中には食事の料金以外に「サービス料」というものがある。海外では「チップ」という制度があり、サービスを受けた際にその料金とは別に上乗せした金額を支払う文化がある。
あくまでもこのチップは任意のものであるが、国によってはチップを給与とみなしているケースもある。しかし日本にはこのチップ文化が無い。その代わりとなるのが「サービス料」である。日本独自のシステムと考えられているが、海外の一部でも行われているケースはある。
サービス料は基本的に飲食店が自由に設定することができ、基本的にはどの分野でも代金の10%~15%程度を請求することが多い。飲食店では高級レストランや居酒屋などのお酒を提供するお店などで発生するケースがある。
例えば10%のサービス料がかかる飲食店の場合は、10,000円の食事をしたら1,000円のサービス料が発生することとなる。このサービス料は課税対象となるので食事代10,000円とサービス料1,000円をプラスした11,000円に消費税がかけられ、合計金額は11,880円となる。
飲食店側がサービス料を請求することを決めた場合は、顧客がサービスの提供を受ける前にその事実をきちんと把握できる状態にしておかなくてはならない。
例えばメニューの目立つ部分に「サービス料10%を頂きます」と明記しておくか、口頭で説明するなどの方法がとられる。サービス料についてわかりやすく提示している場合、顧客はサービス料を支払う義務が発生するが、文字が小さすぎてわかりにくい場合や、注文後にサービス料について説明した場合、サービス料のパーセンテージが明らかに高すぎる場合などは顧客がサービス料の支払いを拒否することができる。
トラブルを防ぐためにも、サービス料を請求することを決めたのであればきちんと顧客が「サービス料」について把握できるように明記することを心がけよう。表示を小さくしたり、注文後に初めてサービス料について説明することは厳禁である。
自分が経営する飲食店でサービス料を請求するかどうかは、店の規模や近隣の店の状況に応じて決めるといいだろう。一般的にいう高級レストランなどは通常のレストランよりもサービスが充実しているケースが多い。
サービスの充実のためにスタッフの人数が多いお店の場合は、サービス料を請求しても問題は起こらないだろう。しかしファミリーレストランなど一般的な店ではサービス料を請求することはほとんどない。周囲の店がどうなっているのかという点もしっかり確認して判断しよう。