アーンアウト条項とは

アーンアウト条項の「アーンアウト」とは、M&Aにおける対価の調整方法の一つであり、M&Aの売却価格において売手側企業と買手側企業に感覚の違いなどを埋めるために使われることが一般的です。


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アーンアウト条項の「アーンアウト(Earn Out)」とは、M&Aの買収対価を、M&A実行後(クロージング後)に一括で支払うのではなく、ある特定の条件を達成したときに支払うという、対価の調整方法の仕組みのことを指します。

最終契約書で売り手側企業に対しいくつかの条件を設定し、それが期間内にクリアとなった場合に追加の買収対価を支払うことを約束した規定が「アーンアウト条項」となります。

M&Aの売却価格において、売手側企業と買手側企業に感覚の違いが生じることは少なく有りません。アーンアウトは、その見解の違いなどを埋めるために使われることが一般的です。

アーンアウト条項で使用されることの多い指標には、営業利益や売上高、純利益、EBITDA、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローなどがあります。

アーンアウト条項を契約に取り入れることで、買手側にとってはリスクを軽減できたり、当初の買収資金を抑えられる可能性があります。
売手側は、M&A取引後も引き続き経営に関与できるのであれば、結果を出すことでさらなる対価を得ることが出来ます。

アーンアウト条項が使われた事例としては、2018年のマネックスグループよるコインチェック社の買収があります。
この買収では、「コインチェック社の2021年3月期までの3年間の業績に応じて、純利益合計額の2分の1を上限に追加で旧株主に取得費用を支払う」というアーンアウト条項が設定されました。

2020年4月には、ペッパーフードサービスによるペッパーランチ事業の売却においてアーンアウト条項が付与されました。
譲渡価額は85億円ですが、一定の売上高目標を達成することを条件に最大で合計102億円まで増額されるという内容になっています。