TOBとは、Take Over Bid の略で「株式公開買付」と呼ばれる、M&Aの手法の1つです。
TOB(株式公開買付)は、主に上場会社の不特定多数の株主に対し、新聞などで買付期間や買収価格、株式数などを公告し、証券市場外で大量に買い付けを行うことを意味します。これは、会社の支配権の取得や強化、自社株の取得など、特定の企業が持株比率を向上させ、支配権を高めることを目的としています。
細かなルールは沢山ありますが、原則として1/3以上の所有割合になるために株式を取得する行為を行う際にはTOBを実施することが義務付けられています。
TOBもM&Aと同じく、買収者が対象企業の経営陣の同意を得たかどうかによって「敵対的TOB」と「友好的TOB」に分けられます。
TOBのメリットとしては
・一定価格で株式を買い付けることが出来るため、買収に必要な費用の目処が付けやすい
・募集株数の上限、下限を設定できるので、条件に満たなかった場合、TOBを取り止めることが出来る
などが挙げられます。
デメリットとしては、TOBの対象となる企業や競合他社の防衛策によって、株式の買付けが失敗に終わる恐れがある、という点が挙げられます。敵対的TOBだけでなく、たとえ友好的TOBであったとしても、競合他社が介入してくるというリスクは避けられません。
TOBは、20世紀初めのイギリスで、企業買収の噂などから株式市場が混乱するのを防ぐための自主ルールとして誕生し、日本では1971年に導入されました。導入後しばらくTOBの件数は少なかったのですが、近年では日本企業のM&Aの急増に伴って、TOBも増加が目立っています。