黄金株とは、種類株式の1つで「拒否権付株式」と呼ばれており、株主総会決議事項または取締役会決議事項において拒否権をもつ株式となります。
種類株式とは、配当や議決権といった権利内容が普通株とは異なる株式のことであり、会社法の第108条第1項に9つの権利内容の異なる種類株式が定められています。
黄金株(拒否権付株式)は第108条第1項8号に記載され、2006年の会社法改正により、譲渡制限付きでの発行が開始されました。原則として、1企業1株のみの発行となっています。
この黄金株は、主に「敵対的買収」「事業承継」などM&Aにおいてその効力を活用することが出来ます。
黄金株は株式比率に関わらず拒否権を発動できるので、通常の普通株であれば株式の34%を保有することで発動できる拒否権を、たった1株持っているだけで行使することが出来ます。そのため、発行企業に対して友好的な株主に所有してもらうことにより、敵対的買収の強力な防衛策となります。
事業承継時には、後継者に事業を引き継いだ後も会社の意思決定権を保持していたい場合などに有効に活用することが出来ます。
ただし、黄金株は非常に強い力がある反面、下記のようなデメリットもあります。
・意図しない相手に黄金株が渡ってしまう恐れがあること
・拒否権の濫用による経営への悪影響
こういった点から、黄金株の導入については十分な検討が必要となります。