時価評価とは、企業価値評価(バリュエーション)における資産価値を評価する手法のひとつです。
保有資産の価値を、購入時の価格では無く、その時点での価格(時価)を用いて評価することを意味しています。
時価評価に対し、資産を購入した時点の価値で評価する場合もあり、簿価評価と呼ばれています。
資産とは、現金もしくは売却することで現金に変換出来るものや、事業等に用いることで、将来的に利益をもたらせてくれるものを意味しています。
モノの価値は基本的に、時間の経過や日々の動向により変化していくものであり、特に土地や建物、有価証券などは、含み損益が発生しやすく、また時価の算出が比較的容易なので、時価評価を用いることで、現時点での評価を正しく判断することが出来ますし、会社の将来性やキャッシュフローを予測して反映することが出来るので、より適切な企業評価が得られます。
その反面、日々価値が変動することから、時価計算の時期等で時価の操作が可能であるので、評価が不安定になりやすいともいえます。
また、時価評価が適していない資産もありますので、場合に応じて簿価評価との使い分けが必要となります。
企業価値評価は、バリエーションとも呼ばれ、M&Aにおいては対象企業の企業価値を算出することを指し、その算出された金額をベースに価格交渉が行われます。
バリエーションで評価された企業価値は、買収(売却)価格の基準となる重要なものになりますので、その評価方法に使われる手法について、正しく理解しておくことが大切になります。