飲食店の人手不足を解消させる3つの方法を紹介!

飲食店の多くは人材不足に苦しんでおり、このままでは人材不足倒産を迎える企業が増加すると考えられます。少子高齢化社会がさらに進む将来において、早めの対策を取ることが非常に大切だといえるでしょう。


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データで見る飲食店の人手不足

日本の多くの飲食店では、正社員と非正社員の両方が不足しています。2019年1月に帝国データバンクによって、各業種の人材不足に関する調査が行われました。それによると、大きく分けて3つのことが判明しています。

1つ目は、「全業種において、正社員が不足している企業は53%、非正社員が不足している企業は34.4%もある」ことです。1年前の調査結果と比較すると、正社員が不足している企業は1.9%増加し、非正社員が不足している企業は0.3%増加しています。

2つ目は、「正社員が不足している飲食店は65.9%ある」ことです。この数字は他の業界と比較しても高い数値を示しています。飲食店では全体の半数以上の企業が、責任者層である正社員不足に苦しんでいるのです。

3つ目は、「非正社員が不足している飲食店は84.1%ある」ことです。この数値は業種全体の中で最も高く、飲食店のほとんどが非正社員を求めていることを示しています。

これらのデータから、飲食店では正社員が不足していると共に、非正社員不足も深刻な問題であることがわかります。

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飲食店に人手が足りない2つの原因

飲食店で正社員・非正社員が不足している原因は、大きく分けて2つあります。

原因① 飲食店の求人倍率が高い

飲食業界では求人倍率が高く、企業の求人数を満たす十分な求職者がいません。
求人倍率とは、企業からの求人数を求職者数で割った比率のことを指します。つまり、求職者1人に対して、何件の求人があるのかを示す数値です。

飲食業界の主な職種は「調理」と「接客」の2つに分けられます。厚生労働省によると、2018年のそれぞれの求人倍率は3.56倍と4.15倍でした。求職者1人に対して求人が3~4件もあることになり、完全な売り手市場なのです。

飲食店の求人倍率が高い理由は、「労働環境の悪さ」と「給与水準の低さ」が挙げられます。

飲食店は土日でも稼働する店舗がほとんどであるため、勤務時間が長く休日が不安定になりやすい特徴があります。そのため、自分のプライベートを確保したい求職者にとって、この点はデメリットとなるでしょう。

また、他の業種と比較して給与水準が低いことも人手不足の原因です。飲食店従事者の年収は、一般的に年収が最も多くなる40~50代になっても同年代の平均的な年収より低いことが一般的です。中には、将来のライフプランへの影響を懸念する求職者もいます。

以上の労働環境や給与水準などの観点から、飲食店への求職者が少ないのです。

原因② 飲食店の離職率が高い

飲食店は離職率が高く、従業員が定着しにくいことも人手不足の原因でしょう。離職率が高い原因は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、「労働環境が悪くなりやすい」ことです。具体的には、「教育制度が徹底されていない」「作業内容や空間が過酷である」ことが挙げられます。

人材不足の飲食店では少ない従業員で営業しなければならず、従業員は忙しいことがほとんどです。そのため、新しい従業員を教育する余力がなく、モチベーションを低下させてしまいやすいと考えられます。その結果、入職したとしても定着することなく離職する人が多くなります。

2つ目は、「給与水準が他の業種よりも低い」ことです。厚生労働省の2016年の調査によると、飲食店従事者のピーク時の平均月収は約32万円になります。

日本全体でのピーク時の月収は約40万円であるため、飲食店従事者の給与は平均的な給与水準を下回っています。求職者にとって給与は非常に重要な要素であるので、給与水準が低い飲食店から離職する人が多いことは当然といえるかもしれません。

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このまま続くと人手不足倒産になることも

人手不足の状態が継続すると、飲食店が倒産する可能性も大いにあります。帝国データバンクによる2019年の調査によると、2019年には過去最高数となる668件の飲食店が倒産しており、そのうち185件は人手不足による倒産です。この倒産数は4年連続で上昇しており、このままでは倒産する飲食店がさらに増えると予想されています。

また、単に従業員が不足するだけでなく、個人経営の飲食店などの場合は、後継者がいないことで倒産するケースもあります。少子高齢化社会がさらに進む将来において、早めの対策を取ることが非常に大切だといえるでしょう。

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1日でも早く人手不足を解消させる方法

人手不足をこのまま放置しておくと、倒産という最悪の結果を生み出します。ここからは、求人を成功させて人手不足を解消させる方法を3つ紹介します。

① 福利厚生で人手不足を解消

まずは、福利厚生などの制度を充実させて従業員満足度を向上させる方法です。
福利厚生の具体例は、住宅手当や退職金制度や、日払い制の導入が挙げられるでしょう。日払いの制度は非正社員であるアルバイトやパートの従業員にとって大きな魅力となります。

実際にこのような福利厚生制度を充実させることで求人を成功させた飲食店は多くあります。しかし、福利厚生制度の充実には資金が必要なため、資金力に乏しい中小の飲食店にとっては負担の大きい選択肢だといえるでしょう。

ならば、従業員満足度を上げる施策として、従業員評価制度の整備も効果的です。公平かつ客観的な評価制度を導入することで、従業員のモチベーションを上げて離職を防ぐことができます。

また、人間には承認欲求があるため適切な評価制度で評価されれば、企業への信頼感や帰属意識にもつながります。例として、大規模な外食事業で有名な「株式会社幸楽苑ホールディングス」は、人事評価システム導入に特化した「株式会社あしたのチーム」と新しい働き方を模索するプロジェクトを発足しています。

② 外国人採用で人手不足を解消

近年注目を集めている外国人労働者を採用することも有効な手段のひとつです。外国人労働者を採用するメリットは、「働く意欲が高い人が多い」ことや「外国人客への対応がスムーズである」ことが挙げられます。

しかしグローバル化が進んだとはいえ、国によって文化や言語の違いは存在します。そのため、外国人労働者が日本で仕事を見つけることは容易ではありません。そのような状況で職を見つけることができた外国人労働者の中には、勤労意欲が高い人材が多くいます。

また、観光客が多い地域の飲食店やグローバル展開を目指している飲食店にとって、外国人客の対応は重要です。外国人労働者を採用することで、インバウンド需要や海外展開でスムーズな対応を行うことが期待できます。

注意点としては、採用した外国人に在留資格があるか否かを確認しなければならないことです。在留資格を有していない場合、入国管理法違反になり摘発されてしまいます。

また、2019年4月から「特定技能」という新しい在留資格が導入されています。これを機に単純労働を行うための在留なども可能となったため、採用する外国人がどの在留資格に当てはまるのかを確認するようにしましょう。

③ M&Aで人手不足を解消

M&Aを行うことで、買い手企業は人材を確保することができます。この際、採用や人材育成のコスト削減が可能です。売り手企業の優秀な従業員を獲得できると共に、ブランドイメージの高い企業を買収した場合は、その良いイメージを引き継いで集客できるという恩恵が得られるでしょう。

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まとめ

飲食店の多くは人材不足に苦しんでおり、このままでは人材不足倒産を迎える企業が増加すると考えられます。

「求人倍率が高くて人が集まらない」「離職者が後を絶たない」という状況を改善するためには、「従業員満足度の改善」「外国人労働者の採用」そして「M&Aを行う」などの手段があります。

特に、M&Aを行うことは事業の拡大をともなうため、将来の事業展開を見据えた戦略立案もできるでしょう。