異業種からの新規参入!飲食店経営の常識
新規参入を行う前に、まずは飲食業界の基本について知っておく必要があります。この項では、飲食業界ならではの特徴を紹介しますので確認をしておきましょう。
参入障壁が低いので異業種でも始めやすい
異業種からの新規参入において飲食店経営が人気である理由として、「参入障壁が低い」という点があります。では、なぜ参入障壁が低いのでしょうか。その理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は、他の事業に比べ、比較的少ない資本で始められるという点にあります。飲食店の経営を始めるためには、次のような費用が必要です。
・調理器具など什器・備品の設備投資費用
・店舗の内外装工事費用
・店舗の契約費用(店舗物件取得費)
・その他の運転資金など
経営する飲食店の規模や種類によって、金額は異なってきますが、開業資金は1,000万円程度といわれています。
参入障壁が低い2つ目の理由としては、資金調達のしやすさがあります。必ずしも、開業資金の全額を自己資金で用意する必要はありません。金融機関などの融資を受けるケースも多いです。特に、日本政策金融公庫では新規事業参入に対する支援を行っており、融資が受けやすくなっています。
一方で、飲食業は開店から3年以内に70%の店舗が閉店するといわれる厳しい業界でもあります。
参集障壁が低く異業種でも始めやすいとはいえ、誰もが成功できる訳ではありません。商売を速やかに軌道に乗せ、実際に繁盛店にしていくためには、飲食業界における相当な専門性が求められるというのが実態でしょう。
良くも悪くもトレンドに左右されやすい業界
飲食業界は、良くも悪くもトレンドに左右されやすい業界といわれています。特定の飲食物がブームになると、それに乗じて多くの企業が参入するようになります。
タイミングを逃さずに参入して成功する企業がある一方で、ようやく参入する頃にはブームはもう下り坂になっている企業もあります。
トレンドに左右されやすい業界であることを念頭において、どのくらい長く続くのか、ブームが去った後はどのような変化があるのかを、経営者の勘だけに頼らずに、専門家の意見も交えながら、見極めなければなりません。
また、あえてトレンドとは距離を置いて、安定してしっかり稼げる業態を目指すなど、流行に左右されずに、長く着実に商売を続けていくという視点を持つことも必要でしょう。
新規飲食店の開業ならM&Aの活用がおすすめ
前述したように、飲食業界は異業種からの新規参入がしやすい反面、トレンドに左右されやすい業界でもあります。こういった新規参入のリスクを少しでも抑えたいのであれば、飲食店をゼロから開業するのではなく、既に経営基盤のある飲食店をM&Aで買収するのがおすすめです。
ここからは、飲食業界の新規参入にM&Aがおすすめである理由や、実際のM&Aの流れについて紹介します。
M&Aなら短期間かつ低コストで飲食店をオープンできる
新規参入にM&Aを活用するメリットに、短期間かつ低コストで飲食店を開業できるという点が挙げられます。M&Aなら店舗となる物件の確保だけでなく、調理器具など設備や什器も引き継ぐことができるので、初期費用を大きく削減することができるでしょう。
また、顧客や従業員もそのまま引き継ぐことが可能です。これに関しては、すぐに開業して売り上げを計上できるだけでなく、人員募集のための広告費や店舗の宣伝費といったコストを抑えることにつながるため、ゼロからの開業に比べて非常に有利だといえます。
さらにもうひとつM&Aが有利な部分として、買収対象の店舗が持つ過去の実績から、ある程度の売上と利益を予測しやすいという点があります。そのため、資金繰りなどについても計画が立てやすく、買収後の経営が安定しやすいといえるでしょう。
M&Aの流れ
ここまでは、飲食業界への新規参入にM&Aを活用するメリットについて紹介しました。次は、M&Aを行う際の一般的な流れについて紹介します。
①M&Aの相談先を選ぶ
M&Aを成功させるためには、高い専門知識や豊富な経験が必要です。そのため、まずはM&A仲介会社や地元の金融機関など、相談する専門家について検討をしなくてはなりません。
なかでも実績のあるM&A仲介会社は、専門性の高さから信頼できる相談先だといえるでしょう。
地元の金融機関の場合は、その地域特有の事情などに精通しているので、こちらもおすすめの相談先となります。
②相談先と秘密保持契約を結ぶ
相談先が見つかったら、次にすることが秘密保持契約の締結です。秘密保持契約とは、M&Aなどで知り得た情報を第三者に漏らさないことを約束する契約のこと。万が一、漏らしてしまった場合は、それによって生じた損害を賠償する義務を負います。なぜならば、M&Aで会社を譲渡するという話が漏れてしまうと、信用不安に繋がってしまう可能性があるためです。そのためにも、相談先から情報開示を受けるために、相談先と秘密保持契約を結びます。
③売り手を探し、現状分析する
相談先と契約ができたら、次は売り手を探します。売り手は相談先が探してくれることが多いですが、知人や取引先から紹介してもらう場合もあります。売り手が決まれば、次は対象企業に関する詳細な資料を貰います。会社概要、収支や財務状況、労務環境など、買収するか否か初期的に判断するための情報を貰い、現状分析を行います。
④交渉する
次は、M&Aの交渉です。対象企業に関する価値を評価した上で、提示する金額や条件を決め、売り手と交渉していきます。交渉は、主に相談者を介して行いますが、一定のタイミングでトップ同士の面談も実施しながら行われます。
交渉では、金額面や引き渡し日時などはもちろんのこと、従業員の雇用のことなど、様々なことが話し合われます。そのため、事前にM&A仲介会社などの相談先と、論点の整理を行っておく必要があります。
⑤デューデリジェンスを行う
デューデリジェンスとは、簡単にいうと、売り手に対する調査です。財務面や税務面だけでなく、法務面についても対象会社を調査し、問題がないかどうかを確認していきます。
デューデリジェンスは、「M&A後、事前に確認できなかったリスクの発覚を防ぐ」という目的があります。デューデリジェンスで問題がなければ、譲渡契約を締結します。
⑥クロージングをする
譲渡契約の締結が終われば、いよいよM&Aの実施です。契約内容に従い、資産の譲受や対価の支払い、従業員の引き継ぎなどを行います。これでM&Aの完了です。
M&A専門の仲介会社への依頼が基本
ここまでM&Aの一般的な流れを見てきましたが、M&Aの完了までには、多くの工程を経る必要があります。そのため、M&Aを成功させるためには、①でも解説したように、高度な専門知識と経験が豊富なM&A専門の仲介会社への依頼が基本となります。
M&A専門の仲介会社では、M&Aの戦略立てを依頼者と一緒に行うほか、契約書や様々な書類の作成もサポートします。また、財務面・税務面・法務面で調査が必要なデューデリジェンスの際には、税理士や公認会計士、弁護士などの専門家を紹介してくれるので安心です。
飲食店に強いM&A Properties
飲食店のM&Aを実行する場合は、飲食業界に強い仲介会社に依頼するのが成功への近道だといえるでしょう。
M&A Properties であれば、検討段階から徹底したサポートを行うことができます。飲食業界を中心に、これまでのM&A成約総額450億以上と豊富な実績があるので、様々なパターンのM&Aに対応することが可能です。検討段階の初期的なコンサルティング、事業計画や投資回収計画の作成、契約書作成など、M&Aに関することをトータルでサポートさせていただきます。
まとめ
新しい業種への参入は、企業を成長させる方法のひとつです。様々な業種があるなかで、飲食業界は参入障壁が低く、異業種でも始めやすいです。しかし、トレンドに左右されることも多いため、新規参入においては、ゼロから開業するのではなく、既存の飲食店を買収するM&Aが有効だといえるでしょう。
飲食店のM&Aには、飲食店に強いM&A専門の仲介会社への相談が基本です。飲食業界への新規参入をお考えの方は、M&A Propertiesへご相談ください。