業務効率化とは
業務効率化とは、業務における問題を改善し、経営における重要な指標を最短で達成できるようになることを指します。
業務効率化を行う目的は、コスト削減と生産性アップにあります。作業の無駄をなくすことで、人件費をはじめとしたコストを削減します。また、業務効率化で労働環境を改善できれば、従業員のモチベーションが上がり、生産性アップにもつながります。
業務効率化の進め方
業務効率化をどのように進めるのか全体像を見ていきましょう。
現状把握
業務効率化を進めるためには、最初に現状を把握する必要があります。業務フローなどを可視化して、どこに問題点があるのかを把握しましょう。具体的には、次のような項目をチェックしてください。
・作業を担当する人数と担当者名、所属部署
・作業の手順や必要なスキル、使用ツール
・作業の所要時間や発生頻度
効率化する業務を洗い出す
現状を把握すると、どの項目にどれぐらいの時間がかかっているのか、無駄があるのかを把握することができます。その中から、効率化する業務を洗い出します。
問題が発生している項目のすべてを一度に効率化することは困難です。そのため、優先順位をつけましょう。以下のような業務は効率化しやすいため、優先して選びます。
・単純作業
・頻度が高い作業
・マニュアル化しやすい作業
たとえば、キッチンでの調理の手順や皿洗いなどの業務は頻度が高く、マニュアル化しやすい作業です。
業務効率化の方法を考える
効率化する業務を決めたら、次に、業務効率化の方法を考えます。業務効率化には、4大原則である「ECRS」を用います。ECRSは、次の4つの項目の頭文字をとったものです。
Eliminate 排除
簡単にいうと、「無駄をなくす」ことです。オペレーションや人員などに無駄な部分があれば、省く必要があります。
Combine 結合
簡単にいうと、「同じ作業は一度に行う」ことです。たとえば、複数のメニューの調理で途中まで同じオペレーションの場合は、メニューごとに作業を行わずに、途中までまとめて行うのが効率的です。
Rearrange 交換
作業工程や作業場所、人員の配置を交換することで効率化を図ります。たとえば、調理器具の置き場や設備の箇所によって動線が長くなっていれば、位置を変える必要があります。
Simplify 簡素化
手順を省いたり、より簡単にしたりすることで作業を簡素化します。作業を簡素化することは、従業員の負担軽減にもつながります。
実行して検証
業務効率化をする項目方法を決めたら、実際に実行して効果を検証します。
効果を検証し不足部分があれば、さらに計画を立て、実行をしていく必要があります。
この繰り返しは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字から「PDCAサイクル」と呼ばれ、何度も行うことでより良い業務効率化が進んでいきます。
飲食店の経営を効率化する方法
ここまでは、業務効率化の進め方を見てきました。ここからは、具体的な飲食店の経営を効率化する方法を見ていきましょう。
ITツールの導入
飲食店の経営を効率化する方法として、よく用いられる方法のひとつがITツールの導入です。今まで人が行っていた作業を自動化するため、多くの作業を効率化できます。
ITツールの導入のメリットは、以下のとおりです。
・口コミなどは残るため、見た人からの継続的な集客が期待できる
・数値として効果が見えるため、分析がしやすい
・スタッフの勤怠管理が簡単になる
・無駄が数値として見える化するため、コストカットが可能
・注文ミスの防止
・料理のオーダーから会計までを管理できる
オペレーション業務の細分化・改善
飲食店のオペレーションには、大きく分けて、次の3つがあります。
・キッチンオペレーション
・業務オペレーション(在庫管理・発注・売上計算など)
それぞれのオペレーションについて、細分化して無駄を確認し、一つひとつ小さな作業の無駄をなくして改善しましょう。
メニューの見直し
多様な顧客のニーズに対応するためには、メニューを増やす必要があります。しかし、メニューが多すぎると、効率などを下げる原因となります。
一般的に、飲食店は年数が経つほどメニュー数が増え、利益率が低下する傾向にあります。そこで、食材数・原価率・調理時間・キッチンオペレーション・回転率といった観点から、店のすべてのメニューを点検し、メニュー数を絞ることも、改善化には必要です。
キッチンの動線改善
キッチンの動線を改善することも欠かせません。たとえば、次のような項目について改善を図ります。
・スタッフの歩数…なるべく歩かないようにする事が大事です。
・道具の配置…スタッフの手の届くところへ道具を配置します。
・食器や道具の数…多めに揃えて洗い物の回数を減らします。
そのほか、キッチンで作業しやすいように、収納スペースを増やすなど、キッチンに応じた動線改善が必要です。
M&A
M&Aも経営や業務の効率化に有効です。M&Aによって、買収先と自店舗がともに仕入れやメニュー開発を行うなど、業務効率化を実現する方法があります。
飲食店経営の効率化にはM&Aもおすすめ
飲食店経営の効率化にはM&Aもおすすめです。ここでは、なぜ飲食店経営の効率化にM&Aがおすすめなのか、また、M&Aの流れはどうなるのか紹介します。
飲食店経営の効率化にM&Aが有効
飲食店経営の効率化にM&Aが有効な大きな理由は、シナジー効果が得られることです。シナジー効果とは異なるふたつのものが加わることで、それ以上の効果を得られるというものです。
たとえば、仕入れ先の企業と飲食店経営の企業がM&Aをすれば、仕入れやマーケティングの効率化が見込めます。
ほかにも、業態の異なる飲食店同士でM&Aをすることで、メニュー開発や顧客獲得基盤拡大などの面で効率化ができ、シナジー効果が期待できます。
また、異業種でのM&Aでは、店舗に販売用のグッズを展開するなど、顧客獲得基盤拡大や利益拡大への効率化でシナジー効果を得られます。
M&Aの流れ
実際にM&Aを行う場合の簡単な流れを見ていきましょう。
1.M&A専門会社からの提案・アドバイザリー契約締結
まずは、M&A専門会社に相談を行います。M&A専門会社は、経営者からのヒアリングなどをもとに、M&Aについての提案を行います。依頼するM&A専門会社が決まれば、企業とM&A専門会社の間で、アドバイザリー契約を締結します。
2.相手企業候補の選定・交渉
アドバイザリー契約を締結すると、M&A専門会社は、経営者の希望を加味した複数の相手企業候補を探します。その中から相手企業候補の選定を行い、交渉を行います。
3.契約締結・クロージング(決済)
相手企業との契約がまとまったら契約を締結し、クロージング(決済)でM&Aの完了です。
実績豊富なコンサルタント会社に依頼
上記でM&Aの簡単な流れを説明しましたが、実際のM&Aは、より複雑な手続きが必要です。
従業員の雇用の問題の解決や、相手企業に表に出てこない問題に関する調査など、さまざまな事案に対応しながらM&Aを進める必要があります。そのため、M&Aを行う際には、実績豊富なコンサルタント会社に依頼すると良いでしょう。
M&A Propertiesでは飲食店のM&Aを専門に扱っており、高い専門知識と豊富な実績を持ち合わせています。M&Aによる飲食店の業務効率化、経営効率化をお考えの際は、ぜひご相談ください。
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まとめ
飲食店の経営を長く続けるためには、業務効率化や経営効率化が必須です。効率化をするためには、現状を分析し、どこに無駄や改善する余地があるのかを把握する必要があります。
現状を把握したら、業務効率化の方法を考え、実践します。たとえば、ITツールの導入で、自動化が行われ、作業や飲食店の経営を効率化することができます。また、多くなり過ぎたメニュー数の見直しや、従業員の作業しやすいキッチンに動線を改善する方法も効果的です。
また、M&Aも業務効率化に効果的な方法のひとつです。ほかの企業と連携しながら経営することで、さまざまなシナジー効果を得られるでしょう。
自社に合った効率化の方法を考え、実践していくことが重要です。