何のアレルギーかを確認する
・まず最初にすることは
食品アレルギーの相談を受けた場合に、まず最初にするべきなのが”何のアレルギーかの確認”です。
アレルギーは本当にたくさんの種類があります。五大アレルゲンといわれる、蕎麦、小麦粉、卵、牛乳、落花生以外にもアレルギーはあります。まずは確認をすることが大切です。
・アレルギー確認の際に気を付けること
① 必ずメモをとり再度確認も忘れないようにする
アレルギーの確認の際にはメモが必須です。万が一、聞き間違いや勘違いがあってはいけません。そして、取ったメモを見ながら、ご本人への再確認も怠らないようにしましょう。
② できるなら調理スタッフも同席する
アレルギー確認の際には、調理スタッフも同席するほうがより安心です。
注文を受けるスタッフからの伝言という形よりも、ダイレクトに厨房にアレルギーの内容が伝わる方が安全性が高まります。
同時調理は問題ないかを尋ねる
何のアレルギーかを確認した後は、同時調理が問題ないかの確認も必要です。多くの場合、フライヤーや鍋、調理器具などは複数の料理で共用するものです。
アレルギーをお持ちのお客様が注文したメニューに、アレルギーの対象となる食材が含まれていなくても確認は必要です。アレルギーに該当する食材を、店舗で取り扱っている場合は”同時調理”であることを伝えましょう。
本格的な除去食ではないことを説明する
重度のアレルギーにも対応する除去食は、調理器具やスペースなどを全て分けた上で、細心の注意を払って作られます。
もちろん、そのような調理に対応できるだけのスタッフと設備がある場合は問題ありません。
ですが、そうでない場合は、意図せずに調理の過程でアレルギー物質が混入してしまう(コンタミネーションといいます)可能性は否定できません。
お客様には、本格的な除去食ではないことを確認し「微量の混入があったとしても、問題がない」との了承を得るようにしましょう。
アレルギーを甘くみてはいけません
ここまでお読みいただいて「なにもアレルギーでそこまで…」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、重篤なアレルギーは人を死に追いやることもあります。例えば、ひどい蕎麦アレルギーの方は、蕎麦と同じ鍋で茹でられたうどんを食べただけで嘔吐などのアレルギー症状が出ます。混入がごく微量であったとしても、決してバカに出来ないのです。
万が一、アレルギー物質が混入していてアレルギー症状が出た場合は店が責任を取らなくてはならなくなります。
アレルギー対応に関しては、すべてのスタッフに研修などで正しい知識を周知徹底しましょう。
仕入れる物のアレルギー表示を確認する
外部から仕入れたものを調理、提供している場合は、仕入れたもののアレルギー表示をしっかりと確認しましょう。
冷凍食品や缶詰め、レトルト食品はもちろんですが、マヨネーズやケチャップなどの調味料、チーズやベーコンなどの食材のアレルギー表示にも注意が必要です。
特に、店舗の厨房で食材から調理されていない食品のアレルギー表示は、盲点になやすいので気を付けましょう。
「あとで表記をみたら、同じ工場で製造されていた」という事もありえるのです。仕入れ段階で主なアレルギー表示を確認し、特に調理スタッフと店舗の責任者はそれを頭にいれておきましょう。
出来そうにないときは断るのが誠意
上記のような確認の中で、アレルギー症状が重篤な場合や、除去することが難しい食品アレルギーの場合は、安請け合いせずに断りましょう。
アレルギーを解った上で、料理を提供することはそれ相応の責任が伴います。安請け合いして、万が一のことがあったら取り返しのつかないことになるかもしれません。
不安を感じた場合は、「当店の設備では、お客様のアレルギーに対応したメニューの提供が出来ません。」とはっきり断ることが誠意です。
飲食店経営の上で、お客様の注文を受けないという判断は想像以上に勇気がいるものです。
にこやかに接すること
確認の結果、対応できるにしてもお断りするにしても、にこやかに接する事を心がけましょう。
アレルギーをお持ちの方にとっての外食は、一大イベントでもあります。それと同時に、飲食店に対して「申し訳ない」と思っていたり「嫌がられているんじゃないか」と心配したりする方もいらっしゃいます。
いつも以上に、にこやかに接することを心がけましょう。仮に、アレルギーに対応できなくても、店によい印象を持ってもらうことは悪いことではありません。
まとめ
当事者にとっては、命がけの問題でもあるのかアレルギーです。
自分達が扱う食材をしっかり確認して、万が一の事が起こらないように対策をしましょう。
そして、アレルギー対応は経営者や店舗責任者だけではできません。調理スタッフ、接客スタッフ、注文やレジのスタッフにもアレルギーに関する知識をしっかりと研修して、対応することが重要です。