飲食店でお客様が他のお客様に絡んでいる場合の対処

飲食店でお客様が他のお客様に絡んでいる場合の対処

「飲食店でのトラブル~お客様がほかのお客様に絡んでいる!どうする?」として、「飲食店で起こる、お客様同士のけんか」について見ていきましょう。


この記事は約4分で読み終わります。

「飲食店でのトラブル~お客様が騒がしいときにどう注意する?」では、「同じお客様同士の立場で起こるクレームは、対応がとても難しい」ということをお話しました。従業員―お客様、の関係とは違い、どちらも台頭な立場だからこそ、飲食店側はなかなか注意がしにくいわけです。

これを一歩進めて、今度は、「飲食店でのトラブル~お客様がほかのお客様に絡んでいる!どうする?」として、「飲食店で起こる、お客様同士のけんか」について見ていきましょう。

お客様同士のけんかが起こりやすいシチュエーションとは

お客様同士のけんかが起こってしまうと、なかなか対応が大変です。
そこでまずは、「お客様同士のけんかが起こりやすいシチュエーション」について見ていきましょう。

まず、お酒が入っている席。お酒を飲むと、人間はよくも悪くも自制心を保ちにくくなります。普段ならば理性で押さえていられる感情が出てきてしまったり、気が大きくなったりしてしまいます。また、声も大きくなるため、「邪魔だな」などの言葉を、相手が聞こえる声量で言ってしまうこともあります。

次に、お店が狭く、客席の距離が近いとき。かばんが相手の席に越境している、ヒジがあたった、声がとてもうるさい……など、客席同士の距離が近いことで起こりやすくなるトラブルはたしかにあります。

もう一つは「お店の単価」です。高いお店は、それだけお客様の質も良くなります。当たり前のことですが、1回の食事にある程度のお金を支払うという人は、それだけ富裕層である可能性が高いと言えます。またそうでなくても、「ボーナスが出たからちょっといいお店で食べよう」「記念日だから、憧れていたお店で食べよう」と考える人は、多くの場合、きちんとしたマナーを身に着けていますし、総じてトラブルが起こりにくくなります。

もちろん「安いお店」というのは多くの消費者にとって魅力的ですし、とてもありがたいものです。ただ、単価は客層に大きな影響を与えますし、そして客層はトラブルの頻出加減と密接に関わっていると思われます。

簡単な解決策を考える

「けんかが起こりやすいシチュエーションがわかったとしても、それを解消するのは現実的ではない」と思う人もいるでしょう。特に、「価格」をウリにしている飲食店の場合は非常に難しいと思われます。お酒を出さないわけにはいきませんし、単価をあげるわけにもいきません。しかし回転数を早くすることを考えれば、客席を減らすわけにもいきません。

しかし上であげた「けんかが起こりやすいシチュエーション」のなかには、「けんかを解消するための有益な方法」が隠されているのもたしかです。

けんかが起きた時、従業員がまずしたいのは、「お客様同士の距離を物理的に離すこと」だと言われています。席の移動を促して、両者の距離を離します。わざわざ近くに行ってまでけんかを続ける人はあまりいないでしょう。またこの際は、トイレにいくときに、当事者のいる席を通らないような席に離すとさらによいでしょう。トイレが中央の通路の奥にあるのなら、トイレを隔てて左右に割り振る、というものです。

お酒を出すことは避けられませんが、お水などを持っていくのもよいかもしれません。

危険と感じたらためらいなく警察を呼ぼう

「お客様同士がけんかをしたら、何はともあれ、店から出せ」と指導されていた、という人もいます。これの賛否はわかれるところではありますが、「頭を冷やさせること」「周りのお客様の迷惑にならないようにすること」を考えれば、たしかに一理あるかもしれません。

飲食店で起こるけんかは、周りのお客様にも迷惑をかけます。どうしてもおさまらない、という場合は、最終的には警察に頼ることになるでしょう。特に、周りのお客様に危険が及びそうになったのならばためらわずに呼んでください。警察がきてもけんかを続けるような人はいませんし、「警察を呼びます」という言葉だけでも十分に効果があります。

従業員とお店の対応

けんかをしているお客様の間に入ろうとすると、お客様から「なぜこのけんかが起きたのか」を言われることもあると思います。しかし従業員は、これを聞く必要は実はありません。もちろん片側だけが一方的に暴力をふるっていた、という場合はこの限りではありませんが、従業員のすべきことは「どちらが正しいかを判断すること」ではなく、あくまで「場をおさめること」だからです。片方に感情移入をするのも危険だと思っておいてください。

原則として、けんかはあくまで当事者同士のものです。従業員がその間に入っていく必要はないのです。けんかによってお店側の財産が破損した場合は、当然のことながら、その賠償をするように要求することができます。実際に請求するか、妥当な金額の見積もりはどうなるのかなどいろいろ検討すべきことはありますが、飲食店側に非がない以上はこれらの要求は通ると思われます。