飲食店経営をする前に知っておきたいのが、経営者・オーナーと呼ばれる立場の人間はどういった仕事内容をこなしているのかという点です。お店が取り扱う料理のジャンルや業態、営業する時間帯などによっても経営者の仕事は様々です。
その中でも飲食店業界の経営者の多くが実際におこなっている仕事の内容をご紹介します。お店の種類によって仕事内容は変わるため、あくまでも一例として参考にしてみましょう。また、1日の仕事の流れの例もご紹介していきます。
経営者の主な仕事内容
まずは飲食店の経営者に必要な主な仕事の内容をご紹介します。仕事の中には、専門の業者に任せることで時間の短縮や作業効率のアップが図れるものもあります。お店の規模によっては自分一人で管理できないこともあるため、今回ご紹介する仕事をすべて一人で行わなければならないというわけではありません。
一方で小さい規模のお店の場合は、ほとんどの業務を自分一人で行うこともあります。自分が経営しようとしているお店の規模や業態を考えてどういった仕事をすべきかチェックしてみましょう。
・総合事務
大きな飲食店で事務専門のスタッフを雇う場合を除き、事務的な仕事も経営者の役割となります。経営におけるすべての事務管理が必要です。具体的には売り上げ管理やメールチェック、顧客管理や費用の計算などがあります。
しかし近年はほとんどの事務作業はすべてパソコンで簡単に入力・管理できるようになっています。ある程度の知識があればそこまで難しくはありません。様々なツールやパソコンを使って業務が円滑に進むように工夫してみましょう。
・メニュー開発
飲食店の場合、とても重要となるのがメニュー開発。お店独自のメニューを作るために試作品づくりをしたり、様々な人に試食してもらったり、自分で試食や調査をするといったことをしなければなりません。
メニューのアイデアを出すだけでなく、費用や売り上げ、原価など経営面からもどういったメニューにしていくか考えなくてはなりません。お店によっては季節限定などのメニューの考案が必要な場合もあります。
・宣伝計画
お店のチラシ作り、HP作成やフェイスブックなどのネットでの広報活動、クーポン誌や雑誌などのメディア掲載など様々な方法でお店を宣伝します。どういった宣伝方法をとるのか、チラシのデザインから宣伝にかける費用などを考えます。
チラシやポップ、HPのデザインなどはデザイナーに頼む方も多いです。近年は格安でデザインをしてくれるサービスも多いのでチェックしてみましょう。
・人事業務
スタッフの採用から接客指導、給与管理など一人で経営するタイプのお店ではなく、スタッフを雇う場合は人事業務も経営者の仕事です。接客マニュアルなどの作成はもちろん、スタッフとのコミュニケーションも積極的に図っていきましょう。
・仕入業務
飲食店の場合は、料理を作るために使用する材料を仕入れることになります。仕入れ先の決定から仕入れのスケジュールや数の計画管理、仕入れた材料の在庫管理もしっかり行いましょう。
経営者の毎日~1日の仕事の流れ~
飲食店経営者の仕事の一日の流れを参考にしてみましょう。経営する飲食店の業態によって様々です。ここではランチとディナー両方を取り扱う1店舗を経営するオーナーを想定して1日の流れをご紹介します。
10:30 お店に到着 開店に向けてのお店の清掃チェックや店舗スタッフとのミーティング。
11:00 開店 事務仕事やHP更新作業などの細かい作業を行いつつ、スタッフの働きや顧客の様子をチェックする
15:00 ランチ終了後に売り上げのチェック
16:00 ディナー営業のための準備。スタッフへの指示やミーティング等も行う
17:00 ディナー営業開始 ランチの時と同様にお店のチェックをしながら事務作業などを行う
22:00 閉店後、売り上げ確認と在庫管理をする。足りないものはネットで発注したり、次の日のランチタイム営業中の最中に電話で発注するように予定を立てておく
基本的な飲食店経営者の仕事の流れとして参考にしてみましょう。定休日を休日としたり、定休日を設けない場合は他のスタッフに自分の仕事の一部を任せて休日をとるといった形で無理をしないようスケジュール計画をしておきましょう。
複数の店舗を持つ場合は事務作業などは専門のスタッフに担当してもらうなどして自分の作業を減らします。経営を成功させるポイントとしては、作業を減らしても現場に出向いてしっかりと顧客やスタッフの様子をチェックすることが重要になります。
勉強やリサーチも仕事内容の一つ
経営をしていくうえで欠かせない業務はもちろん、空いた時間には他店の調査に出向いたり、飲食店業界がどういった流れになっているのか、最近の流行はどんなものなのかなど自分のお店に活かせることがないかリサーチすることも経営者の重要な仕事の一つです。
仕事に慣れるまでは忙しいですが、様々な方法で効率化を図り、たくさん勉強してより良いお店作りのできる経営者になれるよう、心掛けましょう。