スタッフを雇って飲食店を経営する場合は、すべてのスタッフが同様の接客ができるよう、接客マニュアルを作る必要があります。もちろん、マニュアル通りにしか接客しないというのはよくありませんが、マニュアルがなければスタッフによって対応が違ってしまい、トラブルを引き起こす原因にもなりかねません。
お店のコンセプトにも合わせるために、接客マニュアルは必ず作りましょう。今回は接客マニュアルの作り方をご紹介します。
まずは理念を考えよう
接客マニュアルの細かい内容を決める前に、お店の目指している理念を文にしておきましょう。「お客様に喜んでもらえる接客を」「居心地の良いお店作りを」「お客様の要望にはできるだけこたえよう」など、お店の目指す接客の基本的な考え方を最初にマニュアルに記しておくことで、スタッフ全員の意識を統一することができます。
マニュアルに記載する内容
飲食店の種類によっても違いますが、飲食店なら必要となる接客マニュアルに必要となる主な内容をご紹介します。
・お出迎えの方法
大きな声ではっきりと「いらっしゃいませ」、お辞儀の方法や人数の確認をするなどを記載します。お店ならではの「いらっしゃいませ」に追加して言う言葉などがあれば、それも記載します。
・案内方法
かしこまりました、こちらのお席へどうぞ、など案内の際の流れや言う言葉を記載します。喫煙席か禁煙席かを聞く、案内する席の判断方法なども記載するといいでしょう。
・メニューの取り方
案内した後は注文を受けます。伝票に直接書くタイプか、機会を使うタイプかなどメニューの取り方によって細かい方法は違いますが、メニューを聞いた後は必ず繰り返すなど基本的な部分は同じです。
オススメは?といった質問をされた時の対応方法なども書いておくといいでしょう。
・お水やおしぼりのタイミング
お客さんをお席に案内したら、お水やおしぼりを出します。居酒屋なら、「お通し」を出しますね。この時の出し方や忙しい時でもお水が届いていないお客さんが出てしまわないようにチェックしておくなど、注意点を書いておきましょう。
・料理の出し方
料理名を言いながら料理を出す、料理がすべて出そろった後は確認するなど基本的なことから、メニューによっては置き方を指定したほうがいいものもありますので、しっかり確認して記載します。
・身だしなみ
清潔感は飲食店においてとても重要なポイントです。全スタッフがきちんと身だしなみを整えられるようにマニュアルに記載しましょう。
・電話対応の方法
予約の電話など、電話対応する機会も少なくはありません。電話でのやり取りの具体例などを書いておくとわかりやすくなります。
・清掃方法
スタッフは接客以外にも清掃をする機会があります。消耗品の位置を直したり、テーブルの拭き方なども接客における重要なポイントです。
・レジ業務
使用するレジの使い方を記載しましょう。また、レジを使う際のお客様への対応や、ポイントカードのようなものを利用する場合はカードの確認などの必要事項も記載するようにしておきましょう。
マニュアルのテンプレートを使おう
ネットや本などには、基本的なマニュアルのテンプレートとなる情報がたくさん掲載されています。1からマニュアルを作るのは大変なので、こういったマニュアルテンプレートを利用しましょう。基本の部分はテンプレートを利用し、お店独自のマニュアルになる部分は別途追加して、自分のお店ならではのよりよい接客マニュアルを作りましょう。
具体的な例を出してみる
学生のアルバイトや、飲食店の経験がない方を雇う場合はより丁寧に書く必要があります。たとえばクレームやトラブルなどの対応はとても難しいので「もしこう言われたら」といった例を出して、具体的に理解できるようなマニュアル作りをしましょう。
パソコンでマニュアル作りを
手書きで作るのもよいのですが、やはり基本はパソコンでの作成がおすすめです。ワードやパワーポイントなどのソフトはもちろん、フリーのソフトでもOK。パソコンでマニュアルを作っておくと印刷や管理が楽になります。スタッフそれぞれがきちんと頭にマニュアルを入れておけるよう、図や色を効果的に使って見やすくすることも大切です。ただ、あまり長くなりすぎないように、必要な部分を必要なだけ、厳選してマニュアル作りをするように心がけておきましょう。
解らないことはすぐ確認するように指導する
細かく設定した立派なマニュアルを作っていても、思わぬトラブルなどに遭遇することがあります。そういった際にはすぐに責任者などに相談するように徹底して指導しておくことが大切です。困ったときはすぐに相談できるようなお店の雰囲気づくりをしておくことも接客マニュアル作りと一緒に心がけておきましょう。
マニュアルをつくってスタッフの接客の質が良くなれば、サービスが向上しお店の評判アップにもつながります。お店に合ったよりよい接客が目指せるように、マニュアル作成を頑張ってみましょう。