飲食店では様々な業者との取引が必要となってきます。中でも飲食店の重要な取引先となるのが、食材の仕入れ業者です。もし仕入れ業者選びに失敗してしまうと、メニューが理想のものにならない、費用が掛かりすぎてしまい、利益が出ないなどのトラブルが起きる可能性があります。
仕入れ業者選びに失敗しないための方法や、覚えておきたい仕入れ業者選びのポイントをご紹介します。
仕入れ業者選びの準備
まずは、仕入れ業者を選ぶ前にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
必要な材料のチェック
まずはお店で出すと決めたメニューを見て、必要な材料のチェックを行いましょう。書き出してどういった材料が必要となるのか改めてチェックします。あまり使う頻度が少ないものや、基本的な調味料など近くの業務用スーパーで手に入れられるようなものなどがあれば、印をするなどして仕入れ業者から仕入れる材料リストから除外しておくとわかりやすくなります。
何にこだわりたいか考える
例えば、野菜は地元のものを使いたい、肉は有名な産地のものを仕入れたい、といったようにお店のコンセプトに合わせて材料に関してもこだわりたい部分が出てくるでしょう。どういった点にこだわって、どんな材料を仕入れたいのかを改めて考えましょう。
予算を考える
メニューの価格設定と、材料にかけられる費用を先に計算しておくといいでしょう。お店のターゲットとなる人たちが出しやすい金額をメニューの価格に設定し、そこから原材料費を計算します。原材料費はお店の種類によっても違いますが、基本的には原価率20~35%前後で考えます。あまり原価率が高すぎると、どうしても売り上げにつながらないということになってしまいますし、メニューの価格を上げなければならなくなるので注意しましょう。
仕入れ業者の種類を知ろう
仕入れ先を選ぶ前に、仕入れ業者の種類をチェックしておきましょう。食材を仕入れるためのルートには様々な種類があります。
仕入れ業者を介さない方法としては、ネットなどを利用する宅配・実際に見てその都度仕入れる市場などがあります。ネット注文の場合は手間などがかからない、いつでも注文できるというメリットがあります。しかし、安定して仕入れることができないことも。一般の人も購入できる市場の場合は小さな規模の飲食店であれば最適です。しかし八百屋さんや魚屋さんといった業者も出入りするような市場の場合は初心者にはハードルが高いので注意しておきましょう。
業者と直接交渉して仕入れる場合は、卸売業者か生産者に頼みます。大量に注文する場合は卸売業者などの専門業者に頼むと費用を下げることができます。食材にこだわりたい、より鮮度の高いものを安く仕入れたいという場合は生産者に直接交渉する方法もあります。既に取引している飲食店がいる場合や、新たに取引する在庫がない場合など、場合によっては断られることもあります。それでもここの食材を使いたい!と思える業者があれば、問い合わせてみましょう。
仕入れ業者の選び方のポイント
仕入れる材料を決め、価格や予算を決定したら仕入れ業者を選びましょう。仕入れ業者を選ぶ際のポイントについてご紹介します。
出来るだけ近くの業者を利用する
材料の産地などにこだわる場合は、遠方の業者に注文し、配送してもらうという方法もあります。しかし、自分の地域で営業している業者の場合は配送料がかからない、実際に合って交渉することで仕入れ価格を下げてもらうことができる、地元の業者を利用しているということで、横のつながりができるというたくさんのメリットがあります。飲食店において、同業者や他業者問わず様々な人とかかわりを持つことはとても重要なことです。
近くに希望に合う業者があれば、仕入れ業者として取引できないか、問い合わせてみましょう。
周囲の飲食店で調査する
周囲の飲食店ではどんな食材を仕入れているのか、例えばメニューに「○○産の材料を使用」などと書かれていることもあるのでリサーチしておくと参考になります。もし経営者と仲良くなれた場合は、どこの仕入れ業者を使っているのか聞いてみてもいいかもしれませんね。地元で人気のある仕入れ業者なら、価格も安定していることが多いです。
お店のコンセプトを意識する
飲食店を開業する際には、まずお店のコンセプトを決めると思います。そのコンセプトに合わせてメニュー作りをするので、そのメニューに合わせるには、仕入れ先もコンセプトに合った業者を選ぶといいでしょう。例えば、健康志向ということをコンセプトにしているなら、organicなどにこだわった食材を取り扱う業者を利用するなどよりお店に合った業者を探してみましょう。
こだわりすぎないように注意
仕入れ業者にこだわることは大切ですが、あまりこだわりすぎると価格が高くなってしまう、なかなか仕入れ業者が見つからないという場合があります。味や品質を重視することはもちろん、コスト面でも無理のないように選ぶように心がけておきましょう。