飲食店でかかる「水道光熱費」は非常に高く、毎月必要になるコストの中でもその多くを占めています。
飲食店経営において、売り上げアップのためには経費削減の努力も必要です。そこで今回は飲食店の水道光熱費を節約するコツをご紹介します。
水道光熱費の平均はどのくらい?
水道光熱費は、飲食店だとかなり割合が多くなってしまいます。おおよそ売り上げの3%から7%が必要になると言われています。
個人経営の場合は3パーセント程度で済むことも多いですが、チェーン店の場合は水道光熱費が高くなる傾向にあるようです。
麺類や魚介類を取り扱う場合は、麺をゆでたり洗うために水を多く使いますし、魚介類は洗ったりするのにかなり水を使うことになるため、水道代が多くかかります。
照明器具にこだわれば電気代が高くなりますし、どの業種であっても加熱調理の際にはガス代が多くかかります。
水道光熱費を削減する10のコツ
①こまめにスイッチを消す・水をとめる・ガスを消す
忙しいと、ついつい不要なのにスイッチを押しっぱなしになったり水が出しっぱなしになることがよくあります。
オーナーはもちろんスタッフ全員が節電・節水するという意識を持つようにしていきましょう。
②電力会社やガス会社を見直す
近年は電力会社の自由化により、選ぶ電力会社によっては電気代がぐっと下がることがあります。特に沢山の電気代を使うと安くなる会社が多いので見直してみるといいでしょう。また、料金のプランも見直すと全体の電気代を節約することが可能です。
ガス会社も、契約する会社やプラン内容によって大幅に料金が変わることがあります。改めて自分が加入している・加入する予定の電力会社・ガス会社は他に比べて安いのか、光熱費を節約できるのかを考えてみましょう。
③省エネ家電を使う
エアコンなどの家電は省エネ設計されているものがたくさんあります。通常の家電よりも高くなることがありますが、長年使うのであれば最終的には安くなることがほとんどです。店内に設置する家電は「省エネ」になっているものを選ぶようにしましょう。
④水道料金の減免を受ける
地域によって細かい基準は違いますが、飲食店の業種によっては水道料金が減免される場合があります。東京都の場合は
・パン製造小売業
・そば店
・中華そば店
・民生食堂・大衆食堂
・大衆すし店
などが水道料金の減免の対象業種となっています。約10%程度減免されるので非常に大きな節約となります。
⑤LEDに切り替える
飲食店の場合、多くの照明器具が必要です。通常の電球よりもLED電球のほうが初期費用は高くなりますが、長期的見ると「消費電力が少ない」「取り替える必要がほとんどなくなる」といったメリットがありコスト削減に役立ちます。
⑥給湯器を新しいものに変える
お湯をガス給湯器で使っている場合は、給湯器が古いとガス代が高くなる傾向にあります。自分のお店で使うガス給湯器の省エネ率はどのくらいか、契約会社に確認しておくといいでしょう。買い替えが必要になった場合はコストがかかってしまいますが、長期的に見ると変えたほうがお得になる場合もあります。しっかり計算してから検討しましょう。
水道光熱費を節約するシステムを作ろう!
水道光熱費を節約するには、いろいろな節約方法を実践する以外にも「節約をする」という心掛けが必要です。特にスタッフを雇っているお店の場合は全員で節約に対する意識を変えていくべきです。様々な工夫をして全員で節約に取り組みましょう。
・水道光熱費を「見える化」しておく
毎月水道光熱費にどのくらいかかっているのかをスタッフにも知ってもらい、目標の水道光熱費はどのくらいかというのも発表する。数字にして見せることで意識を高めてもらう。
・スタッフにも節約方法を考えてもらう
意外にいいアイデアが出ることもあります。経営面に関わる部分ではありますが、スタッフにも少し参加してもらい、お互いの意識を高めましょう。
・どの機械にどのくらいの光熱費がかかっているのかを概算してみる
例えば、エアコンは何時間くらいつかっているか、ガスはどの器具で一番使っているかといったことを大まかに計算してみましょう。計算していくうちに、どこかで無駄があることが判明する可能性があります。
・毎月の目標を決める
「水を出しっぱなしにしない」「スイッチはこまめに切る」といったことを毎月1項目目標としてオーナーもスタッフも全員で取り組みましょう。いきなりすべての節約対策を行うのは大変なので、1項目ずつ行っていき、少しずつ節約できる習慣を作っていくといいでしょう。
細かい節約も積み重ねれば大きな節約に!
「水道光熱費を気にするより、売り上げがアップする努力をするべきだ」という声もあるでしょう。しかし飲食店にとって水道光熱費は経費の多くを占めるため、少しの節約努力で大幅な経費削減が実現できる可能性があります。
また、「環境保護」「エコ」などの面から考えても水道光熱費の節約は非常に大きな意味を持ちます。あなたのお店でも水道光熱費の削減に取り組む努力をしていきましょう。