お客様が飲食店に忘れ物をした場合の対処~財布や携帯電話以外

お客様が飲食店に忘れ物をした場合どうする?保管方法や対処方法を紹介

飲食店を経営していると、お客様が忘れ物をしていった、というシチュエーションに遭遇することもあります。財布や携帯電話といった極めて重要なものもあれば、それ以外のものもあります。今回は後者の「それ以外のもの」について厚く見ていきましょう。


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飲食店を経営していると、お客様が忘れ物をしていった、というシチュエーションに遭遇することもあります。財布や携帯電話といった極めて重要なものもあれば、それ以外のものもあります。今回は後者の「それ以外のもの」について厚く見ていきましょう。

基本の保管方法は?

お客様が忘れ物をした場合、バッシング(お皿を下げること)のときに見つけることが多いかと思われます。もちろんそのときにすぐに気付いてお客様にお声を掛けることができればそれにこしたことはないのですが、多くの場合はお客様が帰られた後に気づくことになるでしょう。

お客様がしていった忘れ物は、とりあえず回収します。基本的には、忘れ物を取得した場合は警察に持っていくことになります。ただ、判断に困るものもありますし、すぐに持っていくことが難しいものがあるのも事実です。

そのため、現実的には「忘れ物帳」などに、「忘れていった時間」「どんなものなのか」「だれが発見したのか」などを書いておくようにする、という方法をとることになるでしょう。その際は責任者がそれを確認することも大切です。

現在は、「忘れ物は一度回収したら、盗難を防ぐために、スタッフが持ち出せないところにおいておく」と考える向きもありますが、これはケースバイケースでしょう。お客様からのお問い合わせがあったときにすぐに取り出せるように、あえて従業員が触れるところにおいておく、という店もありました。ただ、いずれの場合にせよ、忘れ物帳や忘れ物は、ほかのお客様の目に入らないところに置いておくことが重要です。忘れ物帳に関しては、お店の電話の近くの引き出しなどに片付けておくと、お客様からの電話でのお問い合わせの際に確認しやすくて便利です。

忘れ物は、汚れたり破損したりしないように、ビニールなどにくるんで保管しておくと安全です。

判断に困るものもとりあえずは捨てないでおく

「忘れ物」の取り扱いで難しいのは、「それが本当に忘れ物なのか、それともお客様が『いらないから』と置いていったものなのか」の判断が極めて難しいというところにあります。

たとえば、開封済みのポケットティッシュやちぎられたレシートの場合は、それは多くの場合で「ゴミ」と判断されるでしょう。また、財布や携帯ほどのではないにしても、「眼鏡」などのように高価で、かつ飲食店に置いていくようなことが考えられない物は「忘れ物」として保管されます。

しかしなかには、非常に難しいケースもあります。

たとえば雑誌です。週刊誌や月刊誌などの場合、「お店で読み捨てて置いていく」という人が多い一方、「持ち帰るつもりだったけれども忘れていた」というケースもあります。実際に、「まだ読んでいない最新号を忘れていった。お店に電話をしたらもう捨てたと言われた。最新号なのに捨ててしまうとかありえない!」ということで非常に大きなクレームになった、というケースもあります。

それ以外にも、カサや名刺などはなかなか判断が難しいものでしょう。

また、上で挙げたポケットティッシュなどの例であってさえ、「子どもの好きなキャラクターが書かれていた。忘れていったのに捨てられてしまっていた」としてクレームに繋がることもあります。

このため、多少手間はかかりますが、基本的にはお客様の残していったものはすべて「忘れ物」として取り扱った方が賢明でしょう。お客様が取りに来られなかったらそれはそれで構わないからです。「忘れていったものを返してほしい」と言われたときに捨ててしまっていた、という最悪のケースを避けることができます。

定期的に警察に持っていくのがよい

さて、このようにして「一時的に保管していた忘れ物」は、その後どうすればよいのでしょうか。店側で処分することもできないし、そうかといってずっと保管しておくとスペースが足りなくなるし……と、飲食店の経営者としてはなかなか悩ましい問題です。

それを解決してくれるのは、やはり「警察」です。

折を見て、警察署に忘れ物を届けに行きましょう。忘れ物帳に記載があれば、お客様からのお問い合わせがあったとき、「○○署に届けました」と案内することができます。

ちなみに警察署に届けでた場合、それを保管しておく期間は3か月となりました。また、警察に届け出た場合、カサなどは2週間がたてば売り払うことができるようにもなりました。

これは平成19年からの取り組みですが、お客様からのお問い合わせが、警察に届けてから3か月以上経っていた場合は電話口で一言案内をするとよいかもしれません。

警察に届けることは、飲食店側からするとかなり面倒なことに思われるかもしれません。しかし、「勝手に処分された」という大きなクレームを寄せられるリスクを減らすことができます。また仮に警察の方で処分をしてしまっていたとしても、それによるクレームは店側に寄せられることはあまりないでしょう。