黒字でも倒産する可能性がある!事例とともに対策を紹介

黒字経営でも倒産するケースがあることを知っていますか?そもそも倒産とは、企業が経済的に支払能力をなくした結果、事業の存続が困難になってしまった状態のことです。それが「黒字」の状態でも起こりうるのです。 経営者は黒字倒産が起きる理由について知っておけば、回避や対策ができるでしょう。 今回は黒字倒産になる理由と、黒字倒産の事例について紹介していきます。 経営者の方はぜひ参考にしてみて下さい。


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黒字倒産の理由

黒字倒産の理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
主な理由は以下の3つです。

・税金などの支払いができない
・借入金が返済できない
・取引先が倒産してしまった

この項では、黒字倒産の基本と、それぞれの理由について解説します。

黒字倒産とは

黒字倒産とは、帳簿上は黒字なのに、現金が手元にないため倒産する状態を指します。
主に、売掛金と過剰在庫が原因となります。

ちなみに、倒産企業の52%(545社のうち285社)が黒字倒産と頻発しています。

出典:「2019年「倒産企業の財務データ分析」調査」(株式会社東京商工リサーチ)

税金などの支払いができない

黒字倒産の理由に、税金などの支払いができないという点が挙げられます。

売掛金の回収が納税期限に間に合わず、納税に必要な資金調達ができないサイクルです。納税時期をあらかじめ確認して、余裕ある資金を確保しておきましょう。

借入金が返済できない

利益は出ているが、利益のすべてが売掛金のため借入金の返済ができないパターンもあります。売掛金は、すぐに換金できない特徴があります。

そのため、今後お金が会社に入る予定はあるものの、手持ちがない歯がゆい状況です。
返済期限に間に合わなければ、当然、倒産につながっていきます。

もしもの場合に資金調達できる先があるかなど、事前に確認しておく必要があります。

取引先が倒産してしまった

売掛金を見込んでいた会社が倒産するケースがいちばん不測の事態であります。
回収を見込んでいたお金が回収できず、連鎖倒産になる危険性があります。

連鎖倒産を防ぐためにも、常に取引先の状況を調べておく必要があります。もし不安でなら、外部企業に調査を依頼するのもひとつの手です。

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【会社別】黒字倒産の事例

ここから、会社別の黒字倒産の事例を見ていきます。「江守グループホールディングス」と「株式会社アーバン・コーポレイション」の2社です。

黒字倒産した原因を見ていきましょう。

江守グループホールディングス

江守グループホールディングスは、黒字倒産をした企業です。同社は卸売りの商社でした。
その大口取引先に、中国の会社がありました。

中国の大口取引先から売掛金が回収できない事態が発生し、 江守グループホールディングスはキャッシュ不足に陥りました。同社の売上のうち、約7割が中国市場からであり大打撃を受けたのです。

加えて、江守グループホールディングスは、中国にある子会社の不正取引が発覚します。

主に中国の会社と立て続けに問題を起こした結果、黒字だった同社は倒産する羽目になりました。

株式会社アーバン・コーポレイション

次に挙げるのは、株式会社アーバン・コーポレイションです。同社は広島を拠点とする不動会社でした。倒産した年度以外は、損益計算書上は5年間、黒字となっていました。

しかし、倒産に至ります。理由は「過剰在庫」です。

販売が行き詰まる状況でも仕入れを続けた結果、在庫が増加し続けました。その結果、会社の資金が不足し、最終的に追加融資が途切れました。

銀行からの融資を繰り返した結果、有利子負債が膨らんだことが黒字倒産につながってしまいました。

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黒字倒産を回避するための対策

ここからは、黒字倒産を回避する対策をご紹介します。合理的な資金繰りを行い、黒字倒産を回避しましょう。具体的なステップを詳しく解説していきます。

資金繰りを合理的に行う

資金繰りは合理的に行いましょう。以下の項目は、常に気をつけておきます。

1.計画的な資金繰りを行う
2.銀行からの借り入れをうまく活用する
3.過剰在庫に注意する
4.締め日・入金日・支払日の確認
5.売上と支払のタイミングを調整する
6.不良債権に気をつける
7.不要な資産を持たないようにする

とくに過剰在庫には注意して、売上回収と支払い時期も細かく調整していきましょう。

評価指標の確認

評価指標の確認も、非常に重要な作業です。財務三表と呼ばれる「貸借対照表」、「損益計算書」、「キャッシュフロー計算書」を確認しておきましょう。

貸借対照表とは

貸借対照表は、損益計算書、キャッシュフロー計算書と並ぶ主要な決算書です。「貸借対照表」では、お金の調達、運用方法を示しています。

また貸借対照表では、決算日の財政状態が示されています。

資産や負債の内容が明記されているため、会社の財政状態を判断できる資料となります。

経営分析をする際に、損益が明記されている「損益計算書」ばかりに注目する方がいますが、バランス良く分析する必要があります。

損益計算書とは

「損益計算書」は、利益や損を明示します。
つまり損益計算書は、定められた一定期間において会社の収益と費用の損益計算をまとめた資料になります。

損益計算書は財務諸表のひとつであり、収益、費用、利益の三要素で成り立っています。

キャッシュフロー計算書とは

「キャッシュフロー計算書」はどのように現金が増減したかを確認できます。

キャッシュフロー計算書では、決算の期首にいくらの現金を保有していて、期末にどのくらい手元に現金が残っているのか。会社の現金の流れを把握できます。

キャッシュフローに注目

キャッシュフローにも注目しておきましょう。

キャッシュフローには3種類があり、「営業キャッシュフロー 」、「投資キャッシュフロー」 、「財務キャッシュフロー 」があります。

そして営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足して算出されるのが、会社が自由に使えるお金を表す「フリーキャッシュフロー」になります。

フリーキャッシュフローがマイナスやゼロだった場合、資産売却や銀行からの借り入れを視野に入れる必要があります。

営業キャッシュフローとは

「営業キャッシュフロー」は、企業の主要な事業が、いくら資金を生み出しているのかを表示する項目です。

この項目がプラスなら事業が資金を生み出しています。マイナスなら資金を食い潰しています。

もしマイナスの場合は、在庫を減らす、売掛金回収周期の見直しなど早急に改善案を実行しなければなりません。

投資キャッシュフローとは

「投資キャッシュフロー」とは、投資に関する現金の流れを示します。主に設備投資か事業への投資になるでしょう。

この項目がマイナスである場合、固定資産など高額な物品を購入していると説明できます。プラスの場合は、固定資産の売却益などを得たケースが多いです。

財務キャッシュフローとは

最後に「財務キャッシュフロー」は会社が資金調達をしたり、借りたお金を返済したりする方法を示した項目です。

もし銀行から資金を借り入れると、財務キャッシュフローに記載されます。

借入金を返済していれば、財務キャッシュフローはマイナスになります。
逆に、財務キャッシュフローがプラスの場合は、融資や出資を受けていることになります。

コンサルタントに相談する

黒字倒産の懸念がある場合、回避策としてM&Aによる事業譲渡を検討するのもひとつの方法です。

M&A PropertiesではM&Aのプロが豊富な実績から、御社をサポートします。また、会社の経営状況が不安で、今後の戦略にM&Aを考えている方は、ぜひ弊社のHPをご覧ください。

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まとめ

倒産は、企業が支払能力を失い、事業の存続が困難になった状態を示します。しかし、それは「黒字」の場合でも起こります。

黒字倒産を回避するためには、財務三表と呼ばれる「貸借対照表」、「損益計算書」、「キャッシュフロー計算書」を確認しながら常に会社の財政状態を分析しておく必要があります。