デリバリーとは、出前や宅配のことを指す用語である。飲食店業界では寿司やピザなどのデリバリーが主流となっているが、メニューを問わず様々なものがデリバリーされている。弁当やラーメン、そばなどその種類は数多い。特に東京都にはデリバリータイプの店が多く、全国の9割のデリバリー店が都内にあるとも言われている。都会では非常にニーズが高い業態だと言える。
デリバリーを行う飲食店は、デリバリー専門店としているケースもあれば、通常の営業をしながらデリバリー事業も同時に行っているケースもある。最近ではネットでデリバリーができるサイトなども増えており、デリバリー事業は広がりを見せている。
小さい規模の飲食店でも、近年は顧客の要望によりデリバリーを行うケースがある。通常の飲食店がデリバリーのサービスを始める場合は、いくつか注意しておきたい点があるので確認しておこう。
まず、デリバリーサービスを行うということは顧客の住所や電話番号、氏名などを把握することになる。聞いた情報は店内で管理することになるが、しっかりと業務外に持ち出すことが無いように注意しなければならない。例えば配達を行うスタッフが何かに顧客の住所などをメモしたとする。この場合はこのメモは業務外に持ち出さないように、店できちんと処理しなければならない。管理をずさんにしていると「個人情報保護法」を違反してしまう可能性もあるので注意しよう。
また、デリバリーサービスを始める際にはどの地域まで対応するのか、注文が可能な時間はいつからいつまでかをしっかりと決めておくべきである。きちんとルールを決めていないと通常の営業に支障が出るケースもある。注文から受け取りの時間の目安は30分~40分と言われているため、この時間内で提供できる範囲を考えて地域の設定をするといいだろう。基本的には片道15分の範囲が良いとされている。
飲食店が業務の1つとしてデリバリーを始める際には、保健所の許可を得る必要があるケースもある。地域によって対応方法が違うので、自分の地域の保健所に問い合わせてみよう。許可を取っていないと注意喚起を受けることもあるので必ず確認するようにしておこう。
その他にも、配達を行うスタッフを雇ったりバイクなどを用意したりと、デリバリーを始めるには様々な準備が必要となる。大変なことも多いが、近年はデリバリーに対するニーズが高まっているので取り入れることを検討してみてもいいだろう。