減価償却とは、一時的な支出を分割し、耐用年数に応じて少しずつ費用として扱うことを指す。飲食店においては、店舗の購入費用や調理器具、厨房設備等で使われることが多い。
あるレストランで、ピザ釜を100万円で設置したとする。購入し費用を支払ったのはその年であるが、ピザ釜は今後少なくとも数年は使い続けることができる設備である。しかし、購入した年に全額費用として計上してしまうと、初めの1年間の使用料が100万円だったピザ釜を、その後は0円で使っていることになる。この場合、購入時に数年間使い続けることを想定しているため、購入費用の100万円をその後数年に分けて計上することができる。この考え方が減価償却である。
減価償却が適用される場合、その費用の分配を計算する必要がある。減価償却を何年間で分割するかを決めるために使われるのが、耐用年数である。また、耐用年数は税法によって一律で決まっている。たとえば、一般的な乗用車の耐用年数は6年間である。場合によっては6年以下で壊れてしまうことも、6年以上乗り続けることができることもあるが、税法で決定されているため乗用車は6年間に分割することになっている。これは、自由に費用の計上を行うことができてしまうと利益率に応じた計上など、節税ができるようになってしまうからである。
耐用年数は、製品・設備によっても異なるが、新品と中古でも差がある。厨房設備や調理器具においてもそれぞれ差があるため、減価償却が適用される場合には税務署などに確認をしておくことをおすすめする。
また、減価償却によって支払ったものの、費用として計上されなかった部分は資産・財産として扱われる。決算の際に、資産として記入する必要がある。