グルテンフリーとは、グルテンを含む食品を摂らない食事療法のことである。
「グルテン」とは、小麦や大麦、ライ麦などの穀物の胚乳に含まれるタンパク質の一種である。
小麦などの胚乳に含まれるグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質は、水でこねることでグルテンに変わり、生地に粘りやもちもち感を出したり、膨らませたりする効果がある。パンやパスタ・ケーキ・ピザ・うどんなどの食品に多く含まれており、うどんのコシなどもこのグルテンによるものである。
グルテンフリーは、もともとはグルテンによって小腸がダメージを受け、栄養を吸収できなくなる「セリアック病」の有効な治療方法であり、同じようにグルテンに対しアレルギー反応を起こす「グルテン過敏症」や「小麦アレルギー」の人々の治療法の1つとして用いられた食事療法である。
この「グルテンフリー」の食事法を、アレルギーの心配が無いからと、健康に敏感な海外のセレブやアスリートが始め、実践することで体調が良くなったり、ダイエットに成功したなどとSNSなどでの報告が相次ぎ、海外で大ブームとなり、それが日本でも話題になった。
グルテンフリーの効果としては、肥満・腹痛・便秘・下痢・頭痛・不眠・めまい・生理痛・生理不順・疲労感・イライラ・ニキビや吹き出物・肌荒れなどの改善等が上がっている。
グルテンはとても多くの食品に使われている。
パン・パスタ・ピザ・ラーメン・うどん・天ぷら・お好み焼き・そば(十割そばを除く)、シチュー・カレー(ルウ)・ハンバーグ・餃子・ケーキなどの他にも、ビールや麦焼酎、プロセスチーズ、ハム、アイスクリーム、穀物酢、ふりかけ、焼肉のたれ、トマトケチャップなどにも「グルテン」は含まれている。
健康やダイエットのため、グルテンの摂取を控える人々が増えてきた中、最近ではグルテンフリーのパスタやピザ、菓子類なども商品化されている。グルテンフリーにするため、小麦粉の代わりに米粉や大豆粉を使用しているものが多いようだ。
また、グルテンフリーメニューを提供する飲食店も増えてきた。店の業種はさまざまで、カフェスタイルであったり、イタリアンや洋食、麺料理、お好み焼き店など、個性的かつ、有機野菜や無添加素材を使うなど、こだわりのある店が多い。こうしたこだわりや、食材等の使用情報の開示は、お店を選ぶ重要な基準となる。
グルテンフリーメニューの提供を検討する際には、「ヴィーガン」や「オーガニック」メニューにも通じる健康的でヘルシーな食事である反面、食物アレルギーに対する食事療法であることを忘れてはいけないだろう。