パワハラとは、パワーハラスメントの略称。職務上立場が上である人間が下の人間に精神的・身体的苦痛を与えることや、職場の環境を悪くすることを指す。上司ではなく同僚間でも優位に立っている人間が下の人間にいじめや嫌がらせを行うこともパワハラということがある。厚生労働省では「同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える、職場環境を悪化させる行為」と定義されている。
定義があるとはいえ、何かをした本人に悪意が無くても受け取る相手が苦痛を感じれば、それはパワハラになってしまうことがある。逆に何を言われてもパワハラだとは思わない人も居るため、対応が難しいと感じる人も多いだろう。
飲食店では、店長が高圧的でアルバイトやパートスタッフなどに対して暴言を吐いたり、場合によっては暴力的な行為をするといったことがパワハラとして問題になるケースもよくある。飲食店は他の業種に比べてパワハラでの問題が多いと言われている。これは昔の板前さんや飲食店を営む人が厳しい教育を受けてきた人が多いということや、昔からの慣習が残っていることが原因だと考えられている。
厳しい教育を行うことはあっても、それが理不尽であったり精神的な苦痛を与えたり身体的に傷つけるものであってはならない。飲食店を経営するのであれば、スタッフ全身が気持ちよく働けるような職場づくりを心がけていくべきである。もちろん、スタッフに甘い顔をすればいいというわけではない。きっちりとルールを決めて対応することでパワハラ問題が起きないような職場づくりを目指していこう。
厚生労働省ではパワハラを受けた人向け・パワハラだと指摘された人向け、パワハラが店内で起きてしまった場合の人事や経営者向けに問題を解決するためのアドバイスが掲載されているWEBページがある。こういったページをチェックしたり、相談窓口などを利用して店内でパワハラ問題が起きた場合の対処法を確認しておこう。
パワハラを防ぐためには、立場に関係なくスタッフ同士がしっかりとコミュニケーションをとることが大切になってくる。店内のスタッフ同士の雰囲気が悪いと、顧客も良い気分にはならない。場合によってはクレームがくる場合もある。近年は特に問題視されることが多いパワハラ問題。店の質を上げるためにも、経営者がしっかりとパワハラが起きない職場づくりを心がけていこう。