飲食店におけるショルダーネームとは、店舗のふたつめの名称のこと。飲食業界ではサブタイトル的に使われることも多い。一般に、飲食店の店名は店主の名前やあだ名であったり、思い入れのある単語、提供する料理の地方などをイメージしたものが選ばれることが多い。しかし、たとえば「洋食 GATE」「喫茶 新藤」と言った店名からその店舗のウリとなる商品やメニューを連想することは難しい。そういった場合に必要となってくるのがこのショルダーネームである。「熱々鉄板ハンバーグ GATE」や「本格焙煎珈琲と自家製パウンドケーキ 新藤」と言ったショルダーネームを冠すことで、顧客はその店の特色を理解し魅力を感じることになる。
実際に、店名とショルダーネームを変えるだけで売り上げが上がることも多い。顧客は、店名や店構えだけではその店舗のことを知ることができない場合もあるからだ。隠れ家的店舗を目指していないのにもかかわらず、期せずして隠れ家的扱いをされていることもありうる。顧客は、新しい店舗を見つけても「入りづらさ」を感じることがあるからだ。前述の「洋食 GATE」を例に挙げると、店構えや雰囲気がよいと感じても、「自分の好みのメニューが置いてあるか」、「気さくな店舗かかしこまった店舗か」と言った判断がつかず、入店に至らない場合がある。ショルダーネームを活用することで、顧客が抱える無意識下の不安を取り除くことができるのだ。
店舗経営やメニューに問題は見当たらないのに経営に不安がある、客足が増えないと言った悩みを抱えている場合には、ショルダーネームを見直してみることも大切だ。顧客が求めているメニューと店舗が売り出したいメニューに相違がないか、店舗のアピールができているかを見極めることが重要なのだ。