坪単価とは、新築で家を建設するときにかかる費用を1坪あたりどのくらいかということを表したものである。1坪とは2畳分の面積のことを指す。
上記で説明したように、一般的には坪単価というと建築費のことを指す。しかし飲食店の場合は店舗を建築するケースは少なく、賃貸や居ぬき物件などを活用して開業するケースが多い。そのため、飲食店で坪単価と言えば建築費のことではなく内装工事費のことを指す場合が多い。
居ぬき物件や居ぬき店舗での開業を考える場合には、居ぬき物件を取り扱う不動産会社で情報を得たり、物件情報が掲載されているサイトを見ることがある。ここには物件の情報の他に、内装工事費や電気工事費などの工事費用、メンテナンスなどに関するすべての費用が含まれて「坪単価〇〇万円」と明記されていることがある。この金額を目安にどの居ぬき物件にするのか検討すると費用の算出や比較がしやすくなる。
また、居ぬきではなく新たに物件を購入して飲食店を開業する場合(スケルトン開業と言う)は、「建築費用が坪単価〇〇万円」「内装工事費が坪単価○○万円」と別々に明記されることが多い。
飲食店の内装工事のみで見ると、坪単価は平均30万円・電気工事と空調工事はそれぞれ坪単価8万円程度となると言われている。あくまでも平均的な金額であり、洋室から和室に工事をしたり、すでにあった設備を撤去して全く違った内装に工事すると大幅に金額が上がるケースもある。逆に居ぬき物件で内装工事を一切せずに開業すれば坪単価は0円に抑えることが可能となる。
飲食店では内装工事について坪単価で表されるケースがあると説明したが、一般的な物件と同じように物件の取得費用や建設費に関しても坪単価で表されることがある。賃貸の場合は1月当たりの賃料の横に(坪単価)として1坪あたりの賃料が明記されていたりする。
建設費や賃料について明記されている場合も、内装工事費について明記されている場合も、「坪単価」として1坪あたりの金額を把握することは重要である。1坪あたりの金額を把握していればどの物件にすれば安くできるかという比較や、全体的な費用がどのくらいかかるかという計算がしやすくなる。全体の費用を比較してもいいが、そうすると狭い物件を選んでしまう可能性がある。1坪あたりの費用を比較することでよりコスパの高い物件を選ぶことが可能となる。
飲食店開業時の物件選びの際には取得費用・内装工事費共にきちんと坪単価を見ながら比較し、より良い物件選びをするように心がけておくといいだろう。