買収防衛策とは、企業の敵対的買収に対抗するための防衛策のことを指します。
敵対的買収とは、買収対象企業の経営陣や筆頭株主などの合意を事前に得る事の無いまま、買収を仕掛けることを指します。買収者は、対象会社の経営権を支配できる議決権を取得するため、対象会社の株式を市場で買い集めたり、TOBを実施して対象会社の株式を買い付けるなどして、総株主の議決権の過半数の取得を目指すのが一般的です。
敵対的買収の防衛策は数多く存在しています。敵対的買収に備えて事前に対策しておく方法と、仕掛けられてから行う防衛策があり、それぞれには以下のようなものがあります。
<事前対策>
・ライツプラン(ポイズンピル)
・黄金株
・ゴールデンパラシュート
・プット・オプション
・チェンジオブコントロール条項
・株式の非公開化(MBO、LBOなど) など
<仕掛けられてからの防衛>
・ホワイトナイト
・第三者割当増資
・クラウンジュエル
・株式交換・合併
・増配 など
2005年、ライブドアはフジテレビの筆頭株主であるニッポン放送に対して敵対的TOBを実施しました。最終的にソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)がホワイトナイトとなってこの買収は失敗に終わったのですが、この一件により買収防衛策への意識が高まる結果となり、翌2006年から2008年にかけて、買収防衛策を実施する企業が一気に増えました。
ですが近年は、買収防衛策は買収を防げる反面、いくつかの問題も抱えているため、買収防衛策の廃止を検討・実行する企業が増えてきているようです。