クラウンジュエルとは

クラウンジュエルとは、敵対的買収防衛策の1つで、敵対的M&Aが仕掛けられた際、買収者の欲しがっている資産や事業を手放してしまうことで、買収者にとって対象会社の魅力を下げ、買収意欲を減退させるという防衛策になります。 敵対的買収を仕掛けられた企業を「王冠=クラウン」、その重要な資産や事業を「宝石=ジュエル」と例えたことが由来となっています。


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クラウンジュエルとは、敵対的買収防衛策の1つで、敵対的M&Aが仕掛けられた際、買収者の欲しがっている資産や事業を手放してしまうことで、買収者にとって対象会社の魅力を下げ、買収意欲を減退させるという防衛策になります。

敵対的買収を仕掛けられた企業を「王冠=クラウン」、その重要な資産や事業を「宝石=ジュエル」と例えたことが由来となっています。買収者にとって対象会社の魅力を下げるという点から「焦土作戦」とも呼ばれています。

クラウンジュエルを行う際には、その手放すものによってそれぞれ条件があります。
①事業譲渡
会社が重要な事業(譲渡する資産の帳簿価額が総資産の20%超等)の事業譲渡を行う場合には、株主総会の承認が必要となります。具体的には、株主総会で3分の2以上の賛成が必要となります。
②財産の処分
財産の処分に関しては、取締役会での決議のみで可能です。事業譲渡に比べると比較的行いやすいので、緊急の敵対的買収に対しては、素早く対応することが出来ます。

一方で、取締役には、会社法により善管注意義務や忠実義務が課せられており、適切なプロセス・条件での事業譲渡や財産の処分を行わなかった場合、株主の利益に反したということで、責任を問われる可能性があります。そのため、クラウンジュエルはリスクが高く、現実的な防御策では無いと言われています。