ディスクロージャー(disclosure)とは、一般的に「企業による経営内容の公開」を意味します。
ディスクロージャーという言葉は、経営分野だけではなく、行政による情報公開や、コンピューターの分野でも脆弱性情報の公開に関しても使われています。
また、銀行や信用金庫等の金融機関は「ディスクロージャー誌」と呼ばれる資料に、その金融機関における最新の財務状況や業務内容を、半期ごとに公開しています。
あらゆる企業において、そのステークホルダー(株主や取引先などの利害関係者)に対し、経営に関する情報(経営実績、財務内容、業務状況など)を適宜開示しなければなりません。
企業のディスクロージャーには、大きく分けて「法定開示」「適時開示」「任意開示」という3つの種類があります。
法定開示・・会社法や金融商品取引法(旧証券取引法)に基づく情報開示
適時開示(タイムリーディスクロージャー)・・証券取引所の規定により「株価に重要な影響を与える情報」をその都度開示すること。インサイダー取引の防止が目的。
任意開示・・IR(投資家向け広報)、PR(広報)といった方法による自主的な情報開示
M&Aの実行の前後では、売り手企業と買い手企業両者の関係者に対し、ディスクロージャーを行うことになります。
一般従業員に話すのは契約締結後が望ましいですが、買い手側企業が上場企業や店頭公開企業の場合は注意が必要となります。
上場企業などがM&Aに関わっている場合、証券取引所や証券業協会に報告したり報道機関に発表したりします。従業員や取引先に話す前にマスコミで発表されると、信用をなくしてしまいます。それを防ぐためにも、ディスクロージャーの時期は相談機関などと連絡を取り、慎重に決めなければなりません。