EBOとは、Employee Buy-Out の略で、日本語では「従業員による企業買収」といった意味になります。
企業の経営陣ではなく、従業員が株式を取得し、事業を買収したり経営権を取得する取引のことで、M&Aの手法の1つとなります。経営陣が買収する場合には「MBO」、経営陣と従業員が一緒に買収する場合を「MEBO」と呼びます。
EBOは既存従業員が買収を行うため、会社の引き継ぎがスムーズに行えるというメリットがあります。別の企業への売却とは違い、経営権の譲渡が行われるのみで、会社自体の大きな変化は無いため、従業員の反発や離職などのリスクを低く抑えることが出来ます。
反対にデメリットとして挙げられるのが、資金調達の面です。会社の株を購入するためには多額の資金が必要となります。一般の従業員だけではその資金を用意するのは難しい可能性があります。その場合、金融機関などからの融資を受けることになりますが、経営能力や資金用途等などの審査如何では、資金調達が出来ず、最悪の場合EBOが失敗に終わる可能性もあります。
日本の上場企業としてはEBOの初事例として話題になったのが、ユニゾホールディングスによる事例です。
2019年、会社側との交渉を試みた買収希望者は16、そして旅行大手のHISが敵対的TOBを仕掛け、この際にホワイトナイトとしてフォートレス・インベストメント・グループが実施するTOBに賛同するとしました。しかしながら、買収後の従業員の処遇で折り合いがつかず、従業員有志が名乗りを上げました。その後、米国の投資ファンドであるローンスターからの支援を受ける形で資金を用意し、2020年4月に成立を発表し、同年6月をもって上場廃止が決まりました。