GAAP(ギャープ)とは

GAAPとは、会計処理を行う際や財務諸表を作成する際に従わなければならないルールのことを指します。日本の会計基準を含め説明していきます。


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GAAPとは、Generally Accepted Accounting Principles の略で、「一般に(公正妥当と)認められた会計原則」と訳され、企業が会計処理を行う際や財務諸表を作成する上で基準となるルールのことを指します。

M&A契約時によく使用される表現で、買収対象企業の財務諸表はGAAPに沿って作成されることを求められます。

GAAPは世界統一基準ではなく、国や地域ごとに会計基準が存在しているので、日本の会計原則は「JGAAP」、米国の会計原則は「USGAAP」というように、国の略号を頭につけた呼称で区別されています。

日本会計基準(JGAAP)は、1949年に企業会計制度対策調査会が公表した「企業会計原則」をもとに、2001年以降は社会の変化に合わせて企業会計基準委員会(Accounting Standard Board of Japan/ASBJ)が設定した会計基準を合わせたものを採用しています。

日本には以下の4つの会計基準があります。
・日本会計基準(JGAAP)
・米国会計基準(USGAAP)
・国際会計基準(IFRS)
 IFRS(あいふぁす・いふぁーす)とは、International Financial Reporting Standards の略で、「国際財務報告基準」と訳され、世界共通の会計基準を意味します。
経済のグローバル化が活発化する事により、国を超えた会計基準の統一が提唱され、国際的に活用されることを目指して策定された会計基準です。
現在130カ国以上で採用されており、日本でも対応する企業が増え、2020年11月現在、IFRS適用済・適用決定会社数は約230社となっています。
・修正国際基準(Japan’s Modified International Standards/JMIS)
JMIS(じぇーみす)とは、企業会計基準委員会(ASBJ)が、IFRSを日本国内の経済状況に合わせて削除または修正したもので、2016年3月期末より適用されています。

日本会計基準(JGAAP)と、米国会計基準・IFRSとの大きな違いは、M&Aにおける「のれん代」の扱いです。日本会計基準ではのれん代を「償却対象」としていますが、米国会計基準・IFRSではブランド力が低下したときにのみ「減損処理」を行うこととしています。
IFRSを日本向けにしたJMISでは「償却対象」としました。