IFRSとは、International Financial Reporting Standards の略で、「国際財務報告基準」と訳されています。
世界共通の会計基準のことで、「イファース」「アイファス」「アイファース」などと呼ばれています。
従来の会計基準は、それぞれの国や地域の事情を反映させたものでした。経済のグローバル化によって国境を超えた資本活動が活発化するにつれ、国ごとに異なる会計基準で作成された財務諸表では、比較可能性を確保できないという弊害が生じ、国を超えた会計基準の統一が提唱されました。IFRSはその中心となり、国際的に活用されることを目指して策定された会計基準です。
IFRSは、ロンドンを拠点とする民間団体「IASB(International Accounting Standards Board/国際会計基準審議会)」が策定しています。
IFRSは、2005年にEU域内の上場企業の連結財務諸表に対して強制適用され、現在130カ国以上で採用されています。
採用の方法は、強制適用、任意適用、自国基準とIFRSの差異を無くすコンバージェンスなど、様々です。
日本では2010年3月期から任意適用が容認され、2020年11月現在IFRS適用済・適用決定会社数は約230社となっています。
導入企業は大きく3つに区分出来ます。
・大企業、グローバル企業(ソフトバンク、三菱商事等)
・ファンド、PEファンドの投資先企業
・M&Aを積極的にやっている、やろうとしている会社
IFRSと日本の会計基準の違いが一番わかりやすく表れるのは、のれんの償却になります。
日本ではのれんは20年以内の均等償却になりますが、IFRSでは定期償却が無くて、減損テストが年1回行われます。
つまり、日本の会計基準を導入しているとのれんを毎年償却するため、利益をその分押し下げてしまいますが、IFRSを導入している場合は、のれんの定期償却がないため、日本の会計基準と比較するとその分利益が多くなります。
そのため、M&Aを積極的に行っている企業は、IFRSを導入することが多いです。