NDAとは、Non Disclosure Agreement の略で、日本語で「秘密保持契約」を意味します。
秘密保持契約を表す言葉としてほかに、「CA（Confidential Agreement）」があり、「守秘義務契約」とも呼ばれています。
秘密保持契約とは、企業間や個人間の取引で知った営業秘密や個人情報など業務に関しての情報を、第三者に開示しないとする契約です。
通常の企業間の取引には、原則として秘密保持の義務はありませんが、M&Aの取引過程では、売り手・買い手双方共に、お互いの企業の機密度の高い情報が取り交わされるため、秘密保持の厳守が大変重要になります。実際に、秘密が漏れたときに大きな痛手を受けるのは売り手側企業ですが、買い手側企業の方もある程度の打撃を免れることはできません。
NDAは、こうした情報漏えいのリスクを考慮して、あらかじめ秘密保持契約書を作成することで個人情報や機密情報の取り扱いについて明確にし、万が一漏えいが起こった際に相手側の責任を問うために、大変重要な手続きとなっています。
M&Aの具体的な手順としては、相手企業とのM&Aを検討する際に、まず「秘密保持契約」を結ぶところから始めます。これは、売り手・買い手双方ともに、M&Aを検討している事実そのものも守秘性の高い機密情報で有り、またM&Aが不成立の場合でも、交渉過程で知り得た相手企業の情報を第三者に漏らさない、という契約を締結した上で交渉を開始するためです。
一般的には、秘密情報の定義、秘密情報を開示する相手の範囲、目的外使用の禁止、除外事項、有効期限、損害賠償に関する事項などが記載されます。