ノンリコースローンとは

ノンリコースローンとは、非遡及型融資と呼ばれるもので、融資対象からの収益と売却益のみを返済財源とし、借り手がそれ以上の返済義務を追わない形式の融資になります。


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ノンリコースローン(Non Recourse Loan)とは、非遡及型融資と呼ばれるもので、融資対象からの収益(キャッシュフロー)と売却益のみを返済財源とし、借り手がそれ以上の返済義務を追わない形式の融資になります。ノンリコースローンは不動産業界で多く用いられている融資形式で、不動産融資の場合には、担保不動産の賃料収入・売却代金のみが返済の責任範囲となります。

通常日本で行われる融資の多くはリコースローンです。リコースローンとは借り手の信用力に基づいて融資が行われ、返済が滞った場合には担保資産に限定されず、保証人や借り手の全財産が返済財源であるので、それらから返済を追求できる形態の融資です。ノンリコースローンでは対象となる資産または事業から生み出されるキャッシュフローに基づいて融資額が決定されるという特徴があり、返済財源が限定されているため、融資者のリスクも高くなるので金利がリコースローンよりも高く設定されています。

M&Aにおいては、買収対象会社の返済能力に基づいた資金調達の方法になり、LBOによるノンリコースローンがそれにあたります。LBO(レバレッジド・バイアウト)とは、買収しようとする企業の資産や、その企業が将来生み出すキャッシュフローを担保に、金融機関等から調達した資金で行う企業買収の手法です。融資の返済は買収された企業が背負うことになり、買収した側の企業には返済の義務は発生しません。

LBOの成功例としては、2006年のソフトバンクによる英国ボーダフォン日本法人の買収が挙げられます。この買収はソフトバンクが直接ボーダフォンを買収するという形ではなく、ソフトバンクが2000億円出資して設立した100%子会社が、ボーダフォンという会社自体を担保にして残りの1兆円オーバーの資金を調達し、買収を成功させました。