オフバランスとは

オフバランスとは、企業の事業運営上、活用している必要な資産・負債でありながらも、企業の貸借対照表には計上されていない状態のことを指します。


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オフバランス(Off-balance)とは、企業の事業運営上、活用している必要な資産・負債でありながらも、企業の貸借対照表には計上されていない状態のことを指します。貸借対照表(バランスシート)から、資産・負債を外す(オフにする)という意味合いからオフバランスと呼ばれています。オフバランスは「簿外取引」ともいい、「簿外資産」「簿外負債」を作り出すことをいいます。

会計上のリスクが存在する取引を貸借対照表から外す事により、企業価値を高めることが出来ます。オフバランス化して決算書上の資産と負債を圧縮することで、借入・金利負担を軽減し、総資産利益率(ROA)などの財務指標が改善され、外部評価(格付け)を向上させることに繋がります。このため、資産のオフバランス化を積極的に推進する企業が近年増加しています。

M&Aを行う際には、買い手側はデューデリジェンスにおいて、オフバランス、特に簿外債務について確認することが重要です。簿外債務に気づかずに買収したことで、買収後に多額の債務が発覚し大きな損失を被る可能性があります。最近では、東芝が買収した米ウェスチングハウスが原子力発電所建設にからむ巨額の簿外債務を抱えていたことが判明し、数千億円の損失を被った、という例があります。

M&Aにおいてよく簿外債務として登場する科目としては、下記の4つが挙げられます。
・退職給付引当金
・リース債務
・債務保証損失引当金
・未払賞与

オフバランスは、資産の健全化の1つとして有効な手段とされていますが、デューデリジェンス等で相手の決算内容を確認する際には、「簿外取引」の有無に留意し、慎重に判断することが大切です。