Out-inとは

Out-inとは、海外企業(Out)によって国内企業(in)との合併や買収が行われること、すなわち日本においては、海外企業が日本企業を買収するM&Aのことを指します。国内企業と海外企業によるM&A「クロスボーダーM&A」のひとつです。


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Out-inとは、海外企業(Out)によって国内企業(in)との合併や買収が行われること、すなわち日本においては、海外企業が日本企業を買収するM&Aのことを指します。「Out-in型M&A」「インバウンドM&A」とも呼ばれています。国内企業と海外企業によるM&A「クロスボーダーM&A」のひとつです。
ちなみに、国内企業が国内企業を買収するケースは「In-in」、国内企業が海外企業・事業を買収するケースは「In-Out」といいます。

日本ではバブル崩壊後、多くの日本企業が特に米系の投資ファンドや金融機関、事業会社に買収されました。それもあり、1990年代後半から2001年ぐらいまではOut-in型M&Aの大型案件が目立ちました。その後、2007年に三角合併によるM&Aが解禁となり、Out-in型M&Aの件数はピークを迎えました。現行法での規定では、海外の企業が日本の企業を直接合併し、その当事者として株式のやり取りを行うことは不可能なのですが、三角合併の規定では、存続会社の親会社の国籍が問われないので、海外企業が現金を用意することなく日本企業の買収を推し進めることができるようになったためです。

その後は減少横ばい傾向にあります。原因としては、日本国内の人口減少や少子高齢化などにより国内市場が縮小傾向にあること、それに加え、市場の閉鎖性やビジネスコストの高さ、許認可や規制の厳しさ、製品やサービスに対する消費者の要求水準の高さ、人材確保の難しさなどが挙げられます。日本のOut-in型M&Aが実行される件数は、諸外国と比べても多くないと言われています。

しかしながら件数は多くないものの、近年、成約金額は大幅に増加しています。2015年には1兆200億円であったものが、年々増加し続け2018年には8兆272億円となっています。Out-in型M&Aに関しては、2016年に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業社がシャープ株式会社を買収するなど、主に中国系企業が大きな買収を実施する傾向があります。