リストラクチャリング(restructuring)とは、「再編」や「再構築」を意味する言葉です。
広義には、政治・経済・社会全体の再構築・再構成の意味もありますが、一般的には、企業が収益構造の改善を図るために、事業の再構築や変革を行うことを意味します。
事業の強化を図るために業務や商品構成の改善を図る「業務リストラ」と、財務体質の改善を図る「財務リストラ」があります。
日本では省略形の「リストラ」が多用されています。
1989年のバブル崩壊後、不採算事業の整理・売却、それに伴う人員削減が行われた際に、リストラクチャリング(リストラ)という用語が多用されたため、リストラ=人員整理(解雇)という本来の意味とはかけ離れたネガティブな意味合いで浸透したと考えられています。
リストラクチャリングの手段としては、不採算部門(事業)の規模縮小や撤退・統廃合・分社化等による不採算事業の整理があります。
それとともに、有望部門(事業)への経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)の集中にも着手します。
将来的に目指す企業ビジョンの実現に必要な機能や事業をM&Aによる買収や業務提携で獲得すること、事業再生の目的で行うM&Aもリストラクチャリングに該当します。
アメリカではM&Aによる徹底したリストラが多く見られますが、日本では終身雇用制など制度上の制約が強く大胆なリストラは実行しにくいと言われています。