議決権とは、株式を取得した際に1株につき1つ与えられる、株主の権利です。
この権利は、会社の意思決定を行う株主総会において行使できます。株主総会で提出された議案に対して、賛成するか否認するかを決められる権利があり、議決権を持っている分だけ、投じる数が増えます。なお、議決権のない株式のことを無議決権株式といい、議決権制限株式、単元未満株式などがあります。
会社法では株式数そのものではなく、持株比率(会社が発行した株式数に対して、一人の株主がどの程度の株式を持っているかを示す割合)に応じて、さまざまな権利が与えられています。
持株比率と議決権の内容
・3分の1以上(33.4%以上)特別決議を単独で阻止することが可能
会社法では、定款変更、M&A(簡易組織再編を除く)といった条項(特別決議事項)の決定には、株主総会で3分の2以上の賛成が必要とされていますが、議決権の3分の1以上を手に入れれば、こういった議案を否決できるようになります。
・2分の1以上(51%以上)普通決議を単独で可決することが可能
議決権の2分の1以上を手に入れると、特別決議事項以外の議案について、単独で可決や否決できるようになります。また株主総会で取締役や監査役を選任できるようになりますので、経営権を握ることが出来ます。
・3分の2以上(66.7%以上)特別決議を単独で可決することが可能
企業の合併や買収、定款変更などといった特別決議事項を単独で可決することが出来るようになります。
株式買収によるM&Aでは、相手企業の株式を一定以上取得しようとしますが、以上のような権利の内容を踏まえ、50%以上〜3分の2以上を目指す場合が多いといえます。