VWAPとはVolume Weighted Average Priceの略で、「出来高加重平均株価」「売買高加重平均価格」と呼ばれています。
各営業日当日の平均約定価格のことになります。出来高を考慮した上で加重平均することによって求める方法です。
算出方法は、1日の総売買代金 ÷ 1日の総出来高 となります。
1日の総売買代金は約定価格 × 約定株数を1日分足したもの、
1日の総出来高は約定価格 × 1日の約定数量 からなっています。
VWAPは、平均的な約定価格としてリアルタイムに表示され、主に機関投資家が株の売買時の目標値として取引に活用しています。
M&Aにおいては、バリエーション(企業価値評価)の「マーケットアプローチ」にて、参考にされることがあります。
「マーケットアプローチ」は、市場で成立する価格をもとに評価する手法であり、主に市場株価法とマルチプル法に大別されています。
このうち、市場株価法には「終値の単純平均」と「出来高加重平均(VWAP)」という2つの算定方法があります。
TOBの際に開示される公開買付届出書等の事例では、単純平均価格を採用している例のほうが多いようですが、出来高の少ない上場会社の場合、単純平均株価は取引実態からかけ離れてしまう可能性があります。
VWAPであれば、一時的な特殊要因を補正することが可能であるため、より正確な数値が導き出せるといえます。